MINAMATA
「いよいよ封切られたか、ところでコッチではやってるのか?」去る2日に観てきました。テーマが良い、役者達の演技も良い、J.デップの役作りがハマりまくってる!映画館では圧倒され、「昭和の宿題を取りに行くぞ、オラ♪」な記事にする心算でした…烏賀陽様のツイート読むまでは。
そもそもロケ地が水俣ではないコストを抑え易いんだって。ミュージシャンの海外レコーディングみたいだ、主人公の機材選択に間違いが多い長玉は私も気になった。ミノルタがやたら目立つのは意図?、一部キャラクターの関係性が曖昧・背景描写が足りないetc. 「言われてみれば」作りがやや雑で、非常に勿体無い印象に変わっています。 個人的主観では臭い、即ち現像液・魚の脂・工場廃液・患者達の排泄物病院の薬剤・金属的なものもね等々を感じにくかったように思います石牟礼道子「苦海浄土」ではコレデモカと綴られているが、そこは制作陣の「踏み込み」の甘さなのか、それともこちらが想像力を逞しくす可きだった、のでしょうか。とはいえ、見る可き点もあるわけで…住民運動の努力もさることながら補償上乗せの決め手がガイアツだった、日本(人)の、悲しいまでの変われなさが終盤数分で鋭く突き付けられます。
教授のサントラを映像と共に聴くは「The Last Emperor」以来。あの頃よりも響きに空気感が強まり、また環境問題にも取り組む氏とあって思い入れが伝わってきます。
結びで世界の公害問題が列挙され、水俣は遠い日の記憶ではない、今、これから何をす可きか、受け手に問うてくるのです。
《追記》
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