ナーシングホームOasis知立 内覧会
「オッ、休みがつながった♪行けるゾ」アイムエイムの木村茂正さんが福祉機器を出展する、と案内されていた2月オープンの医療特化型有料老人ホーム・ナーシングホームOasis知立の内覧会へ去る1月19日に御邪魔してきました。処は名鉄三河線沿い・近年造成されたらしい区画の中。ガラケーは地図を呼び出そうとすると固まってしまうので私はいつもノートPCの地図を画像に撮っておき予め道順を決めてから出掛けますが、行った先で「ここでイイんだっけ?」ポケットからケータイを出し…は非常に面倒なもの。そろそろ専用ホルダーが欲しくなりました。
ハコの骨格こそ他所と特に違いはありませんが神経難病など医療依存度の高い方が主に利用されるとあって介護保険施設ではなかなかお目にかかれない周辺装備がそこここに。キモは富士工器製自家発電システム、燃料のLPGを収めるタンクは960㎏もの容量があり、
停電に遭っても最大半月も!通常の施設生活を維持出来るのだとか私が以前いた病院のソレはガソリンで、しかも2時間しかもたないんじゃなかったっけ?。但し爆発の危険はゼロではなく、「街中で同じことは出来ない」。敷地を見回しましたが何処にあるのか判りませんでした。食事は他所で作るらしくフロア(パブリック)の厨房はとり分けるだけだそうです。床のクッション材はその凹み加減がマナーハウス麻溝台のソレと酷似していました同じ?。
こういった施設ですと利用者様は普通に動けるか全く動けないか、なのかな?トイレは一見親切な作りのようでも介助環境としては「?」を拭いきれませんでしたが、それでも…右画像は共用、この前手すりは前へどけられるだけなのかな?移乗・着座中或いは介助法・量車椅子をどの角度でつけるか、とかに拠って前手すりを差し出す適正な角度は異なります、どっか作ってくれないかなァ。でも同所に限れば壁・扉の開口量からして車椅子御使用の方はあまりこの機能を活かせないのではないか、つまらぬ心配をしてしまいました。
風呂も「如何にも」な機械浴。リフト(ボトム)の幅が広がって安全性がドーノ、と口上がありましたがそれは昔と比べれば、の話。同所は有料ですので訪問入浴サービスの出入りもあるとのことで、目を惹いたのは専用の給湯栓が4箇所も!設けられていたところ、珍しいでしょ。
こちらは木村さんが開発中の重症者向けティルト/リクライニング車椅子。バックサポートにかかっているメッシュシートもなかなかどうして快適なモノ。フレームはかなり大きく、「小さいものばかり作ってんじゃない」とは高齢日本人も小さい方ばかりとは限らない、或いは軒並み体格が豊かになる「今後」を見据えて、でしょうか。木村さんが各地で公演なさっているシーティング論が随所に織り込まれた「何故マスプロメーカーにコレが出来ないのか?」作り込まれたもの。
また木村さんの「車椅子は本施設を利用されるような難病など重症者向けと高齢者向けとでシステムをたて分ける可きではないか」にもフムフム。スマートフォンのマウントが横付けされているあたりは施設のカラーを反映?人工呼吸器などを収めるラゲッジ・スペースも。レッグサポート・フレーム(エレベーション)は松永製、こき下ろすわりには使ってるじゃありませんか。
これでティルト/リクライニング最大、かな。アームサポートは腕を預けやすい幅広、「ティルト/リクライニングには高さの調節だけで足りる。座に合わせて傾ける必要は無い」目一杯下げられますので移乗介助を妨げません。難病患者様には欠かせない人工呼吸器など諸装備を収めるラゲッジ・スペースも。そしてティルト/リクライニングをかけると十中八九介助ハンドルも低くなってしまいます、そこで木村さんが提案するはこんな形。使用感は自転車のアナトミック型ドロップバーに似たもの、
アレをひっくり返したと思って下さればおよそ間違いありません。勿論ブレーキの位置も最適化。あちこち持てるとなりますとグリップではなくバーテープを巻くことになるのでしょうか。
松永マイチルト用サブフレーム「肩まで支えて!」。バックサポートフレームが途中(画像右下・「曲」)から後方へ屈曲する同機でとかく問題となる肩甲帯の支持を改善します。来る3月発売予定のマイチルトミニでは背折れで対応出来るようになるわけですが、木村さんの仰る通り座奥を350㎜に詰める必要は無かった、私も思うところ。高齢者で上背は無くとも手脚の長い方は意外以上にいらっしゃいます、そのくせ座幅は400㎜のまま、小さく作る意味を取り違えている?
Canon EOS-3登場から二十数星霜、数年前までならTV特番で観るだけだった視線入力コミュニケーション・ツールもいよいよ。私が「みかわあんじょうえきからじてんしゃできました(三河安城駅から自転車で来ました)」をやっとこさ入れて「ふゥ~ッ」だったのに対しデモビデオ・難病患者様のタイピングの速いこと速いこと!ふうわりふうわり動くカーソルも慣れられるものなのでしょう。
クルマ立県・愛知のいやらしさをまざまざと見せつけられたのがココ。庇付きの駐輪場はそこそこの広さがあるものの本館の敷地と道路を挟み、且つその道とは反対側へ遠く遠く隔離されていました。エントランスを出たスロープから見る見えない!駐輪場と駐輪場からエントランスとの両視点で。
…
国是として医療費抑制が推し進められる中、病院とは別に医療依存度の高い方向けの生活の場は今後需要が高まっていくものと思われます。但し同所はピック病やアルツハイマー型認知症を受け入れる一方で脳血管性認知症はシャットアウトだそう、「そういう処」と言ってしまえばそれまですが、やはり医者というのは原因がはっきりしている・成果が見込めるものにしか興味が無いのでしょうか??いびつなロマン「とやら」を感じずにおれない、とはひねくれ過ぎですかねェ。
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