安全な現場の騙し方#2
去る9月17日、ふじのくにケアフェスタ(静岡介護フェア)でのこと。
パラマウントの自称低床ベッド画像奥を紹介していたブースで、アドバイザーとかいう方が床ベッタン・シンパである私に突っかかってきやがりました、「19cmでも十分低いじゃないか」ということにしたいらしいパラマウントは床ベッタン(超低床ベッド)を作っていない。
床上20㎝は埃の滞留ゾーンとかで、壁のコンセントもソコを避けてあのくらいの高さなのだそう、防塵シャッター付コンセントなら床面にだって埋め込めるじゃないか!要はシールを徹底すれば済む話で、電気屋の都合でモノを作るとロクなことにならないのは福祉機器でも同じ、もっと言っちゃえばベッド、こと高齢者の転落事故は電気屋が仕向けていた、謗りは免れません20年前、最初に就職した町工場で電装・プログラミング担当の「自分の仕事がうまくいかないのは製造現場のせいだ」放言、絶対に忘れんゾ。柵受けがサイド中央で切れているので車椅子が付け易い云々も現行の基準では四隅にしか掛けられないのでそこが「要らなくホントはソコにこそ掛けたいのに」なっただけのこと、詭弁もいいとこ。
剰え「パラマウントは業界に先駆け様々な新しい提案をしてきた。私はメーカーとお客様の橋渡し(要旨)」には呆れるほかありませんでした。
イヤミカマシてしんぜましょう、Blogでは先行でと言ってももう1ヶ月前だH.C.R.2017より、パンフ画像でスマン。以前もここで紹介したLowLand BedがシェイプアップされていましたまだメーカーサイトにはUPされていない。もっとも6.8㎝の上にマットレスを敷きますので「だいたいソノくらい」になってはしまうにしても…そのボトムを下ろしきっている間は柵を外しておける点が大きい。中国からいらした営業さんは「日本語あまり解らない」とのことでしたが、「私は御社で超低床型を知った。
今後介護現場は間違いなくコレがスタンダードとなっていく、宣伝しますよ」と伝えると大いに喜んでくださいました。蛇足ながらいざって動ける方には昔から床ベッタン車椅子があるワケで。電気屋の怠慢もさることながらこういった機材が普及しなかった最大の理由は「(西洋から輸入された)リハビリに床への着座/立ち上がりは無いから(三好春樹)」、古文書の読解だけでは介護現場が成り立たないわけですナ。
騙された現場の1つが私の職場。オープンからこれで何例目?転落対策とかでベッドサイドの座敷(床)へマットレスを展開、ベッドから転げ落ちた利用者様をココで受けとめられればインシデント扱い。「敷くな」と言っているのではなく構造的問題が全く解決されていない失礼千万な物言いだが困るのは中途半端に動き回れる方、起き上がりを妨げぬよう手すりで囲うがこれが曲者で、職員臥床すすめる→寝たふりしてすぐ起き上がる→職員困り再び臥床すすめる→利用者様勿論聞く気さらさら無い→職員更に困って寝て頂くべく手を出す→「かかったな」言わんばかりによろけてみせ職員にぶら下がる→手すりだサイドレールだ、はたまたベッドのフレームだにぶつかる、と相成るわけで。マットレスは立ち上がった足下をぐらつかせ、転倒、ひいては手すりやポータブルトイレへの接触・衝突リスクを更に高める、もっと言えばこれで守られるのはベッドのメーカーとディーラー、そしてこの程度の環境整備しか思いつかない学生リハの立場であり、決して利用者様ではありません!誤解なきよう挙句の果てには「トイレ訴えある時だけマットレスを外しポータブルトイレ設置を」などと言ってきやがった!だから奴等も夜勤のローテーションへブッ込む可きなのダ。
ベッドは未だ日本人の生活環境たり得ていない、西洋「医学とやら」との齟齬は少なくともあと1000年続くのでは?夜勤明けに事故報告書を書きつつ溜息だけが増えていくのですよ、あくびばかりじゃありませんゾ。
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