去る7月30日、でく工房でうたれた勉強会「『Otto bock』製品を知ろう!(第1部 第2部)」へお邪魔してきました。
当日に先だって本会へ出る旨を串田さんに話したところかねてよりパラリンピックに絡みたいとの希望をお持ちとのことから前週の技術者交流会に続いて今回も車を出して下さいました、真に有難う御座います。何でもでく工房のあるR16界隈は御親戚がいらっしゃることから土地勘があるそうで…山梨を跨ぐと拝島は意外と近いですね。
当日お話して下さったのは営業で全国を股に掛けるのみならずパラリンピックのテクニカルサポートで何度も海外へ飛び、今月初めNHK「リオ・パラリンピックボイス」にも御出演されたココは強調しておきましょうオットーボック・ジャパンの中島浩貴さん。前半は時節柄関心の高いパラリンピックを中心に同社の障害者スポーツへの取り組みについて。驚かされたのはそのテクニカルサポート、Otto bockは国を問わず如何なる機材の修理・メンテナンスも無償で応え、そのために億単位!の予算を注ぎ込んでいるとか。これは他社ではなかなか真似が出来ないことでしょう、
当然得られるフィードバックも少なくない筈「仮に日本で同じことをやるとしたら数社で、おそらく川村(義肢)あたりが音頭を取って、ということになるか。費用をどこがどれだけ出すかが問題となろう(光野さん)」。但しパラリンピックの性格上、私企業であるOtto bockの名前はあまりおおっぴらに出せないらしい日本の福祉機器メーカーに至っては開場にすらまともに入れないそうな。串田さんの希望であるパラリンピックへのとっかかりは、オットーボック・ジャパンの社員になる!か、各競技のナショナル・チームに関わる、といったところ?
この時紹介されていた機材の1つ、国枝のライバルとして有名なS.ウデのCORIMA。面白いのは坐るというより膝氏の場合は右で「立つ」ところ座は「寄りかかる」感じ、加えてバックサポートを廃しテニス特有の上体を捻る動きを引き出しやすくしています。また自転車乗りならどなたでも御存知でしょうが、バトンホイール(主車輪)の4本スポークは平織されたカーボンクロスの繊維方向に合わせて決められています、理論武装されてますでしょもっとも同社は5本も作ってるけど。

後半は主に障害児向け、成長過程に合わせた24時間姿勢管理とそのための同社機材の紹介。臥位のみならず座位保持にも使えるシステムクッション、高齢者向けに大きいのが欲しくなります。赤と黄色のヤツはスクートといって部品の付け替えでハイハイ、或いは座位保持、足漕ぎや「いざる」ような動きを助けるもの。
更なる心身の発達を促すモジュラー型立位保持装置、歩行器も。車輪が大きいのは外に出るため。また両手が自由になるのがキモで、歩いて行った先で何をするか、先ず目的ありきなのが欧米らしい。翻って日本の病院・施設でよく見かける歩行器(サークル通称「わっか」)、そりゃあんな形してれば誰だって要領よくかぶさり、如何に楽して転がしていくかを考えるばかりでしょう…道具を使う意味そのものの違いがはっきり。
私はというと暑さと疲れでもうフラフラ、坐っているのがやっとでした。午後は工房開放、串田さんは座椅子で車椅子と同じ背張り調整が出来ないか、と実験してましたよ。また串田さんはピーエーエスの野村さんのファンだそうで帰りの道すがらご愛用のドライバーピントを紹介して下さいました…ふゥ~ム、おそらく長く乗ってると差が判るかも。
次回は9月24日・「『NISSIN』製品を知ろう!」です。パラリンピックが終わった直後ですのでソチラのコユイ話に超期待。
期間限定のつもりでしたが勿体無くもコメントを戴いてしまいましたのでココに残しておきます…米SPECIALIZED社がロード用サスペンションシステム・FUTURE SHOCKを発表しました。スレッドヘッドにアヘッドステムを付けるためのコンバーターよろしくサスユニットをステアリングコラム内に仕込むもので、基本的考え方はSOFTRIDEと同じ、まさに「歴史は繰り返される」。TREKのIsoSpeedといいこういった仕掛けを持ち出してでもチューブを薄く、軽く、硬くしたい?ともあれ…1990年代初頭、SPECIALIZEDが自社ブランドMTBサスペンションフォークたぶんどっかのOEMにつけていたFUTURE SHOCKのネーム復活はオッサンにはちょっぴり懐かしい。
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