天文年鑑/天体観測手帳 2016年版
もう年末、というワケでまたこの話。
天文年鑑と共に買ったのは天体観測手帳とか言うたぶん新顔。地元の本屋で天文年鑑の隣にあったのと天文手帳の取り寄せがだんだん面倒になってきたので今年はこっちにしてみました、いつまで続けてくれるかはわかりませんが…天文年鑑の表紙は去る7月にフライバイを果たした探査機ニューホライズンズ英語の教科書じゃありませんゾが捉えた冥王星像、今後もたらされるであろう知見の数々≒凄さとは裏腹に絵としては極めて地味。また扉は来る3月の日食を紹介。「4年前に買った日食グラスの劣化に注意」喚起は意外な目新しさが、ただし画像の日食が2004年のソレという古さ加減は藤井さんらしい??一方の天体観測手帳は来夏木星到達予定の探査機ジュノーのCG想像画、更に天象予報のページ中に近頃の星な話題を綴ったコラムを挟むあたり天文ガイドを買うどころか月々立ち読みする必要も無くなった!?こちらも時事性全開です。月毎の天象カレンダーと週毎のソレの双方にメモ欄があるのはちょっと使い難いというか無駄を感じる?それともビジネスマンはこういった構成を好むのか??初めて開いたとき「2年分入ってる?」勘違いしてしまいました。
- 1月 9日 金星が土星の北0°05′を通過
- 3月 9日 皆既日食(東南アジア、日本では部分食)
- 3月 23日 半影月食
- 4月 21日 パンスターズ彗星(C/2013 X1)が近日点通過地球に接近する夏頃は南天に下がってしまうので梅雨入り前が勝負どころ
- 5月 9日 水星日面通過(日本近辺のみ!観測不可)
- 5月 14日 水星が金星の南0°26′を通過
- 5月 22日 火星が衝最接近31日・-2.1等・視直径18″4
- 7月 17日 水星が金星の北0°32′を通過観測困難
- 8月 19日 海王星食月齢16.6観測困難
- 8月 26日 火星が土星の南4°23′を通過
- 8月 27日 金星が水星の南5°16′を通過
- 8月 27日 金星が木星の南0°04′を通過
- 8月 28日 金星が水星の南5°16′を通過
- 9月 17日 半影月食
- 10月11日 水星が木星の北0°52′を通過
- 10月30日 金星が土星の南3°02′を通過
- 12月31日 45P/本田・ムルコス・パデュサコバ彗星が近日点通過
年の前半にカタリナ彗星・部分日食・火星接近を観たら後は惑星の動きを地道に追いかけることになります。半影月食は8月18日にもありますが半影の縁をかすめる程度、しかも低空とあって実質観測不可。ココでは挙げてはいませんがアルデバラン(αTau・ヒアデス星団)の食は昼間或いは薄暮の現象が多く上級者向け。主要流星群はηAqr・γPer以外は月明かりに遮られます。惑星の会合は1月の金星と土星、8月と10月の東天に注目、ただし後者の条件は際どいものばかり。本記事のプレビューは天文年鑑を見ながら書きましたが、月毎の天象カレンダーで惑星会合現象の一部が「~に接近」とあるだけで赤経の合となるのかならないのか赤経の合と最接近は厳密には異なる、両星が南北どちらに来るのかコレは素人にとってはあまり重要ではないにしてもが即座には解り難い、やや曖昧な表記になりました。以前の編集に戻して欲しいですね。
また来年は宇宙研がX線天文衛星・ASTRO-Hを2月12日に何でも通り抜けてしまうX線をどうやって集めるかって?アレは全反射を使うのですよ、それから忘れてませんよね?米航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター(NASA/GSFC)がはやぶさフォロワーとなるオシリス・レックス(Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification, Security, Regolith Explorer、OSIRIS REx)を9月にそれぞれ打ち上げます。
地味ながら見れば見るほど「ムムッ」な1年になりそう。
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