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2015年11月 9日 (月)

国際福祉機器展 H.C.R.2015見てある記・メカヲタ&裏ケース会議編

遅くなってしまいました、続きです。

Minisd_743Minisd_744こういったメカも幾つか見られるようになりました、安川電機ロボティクスヒューマンアシスト事業のReWalk。HALのように筋電を拾って、ではなくどうもとにかく歩くよう動かしちゃうものらしい。プレスリリースでは実証実験開始だの販売権獲得だのと鼻息荒いにもかかわらずブースでは営業が撮影を遮ってきましたでも撮ったけどサ、展示会なんだから見せられるモノだけ持ってくればいいのに、ハナシの通じない御人だ。

自動排泄処理メカにつきましては以前書きましたのでもう繰り返しませ…もうちょっとケチつけてみようかしら、画像はサンテック(AD-RoLLS・扱)のソレ。「もうベッドで1㎜たりとも動かさない、ッてワケですね」とイヤミ吹っかけてみますと営業が「いや、動けない方向けの…」と言い訳してました。Minisd_730あのねェ、寝たきりには当然「そこ」へ至るプロセスがあるのよッ。難病患者を抱える同居家族の希求、といった好意的限定的解釈も出来ましょうが、ことカネのある、TVドラマのロケに使われそうな(僻み含む)病院にあっては「使わせんがため」に仕向ける疑いを拭えぬ故、この14年間「それら」を見続けてきた私はこういった「自由の歌が親切顔で/そういうふうに誰かを喰べる中島みゆき『春までなんぼ』より」を無条件に認めるわけにはいかないのですよ。

Minisd_737Minisd_738今後もっと普及して欲しいのがこの類、APEXCARE(株式会社スカイブルー・扱)の超低床ベッド・APC-84322AC。繰り返しになりますが転落予防もさることながらボトムを下げきれば基本サイドレールが要らなくなるアレは臥床/起居介助の邪魔、移乗にあたり車椅子のフレーム一体型、或いはスイングアウトしかないレッグサポート・フレームがつっかえない、ボトム下の掃除が容易、とメリット満載。本機のヘッド/フットボードは薄く、そのスペース効率でローランドベッドに決定的な差をつけていますベッド周囲は何かと物を置くことになるので、とは大袈裟でしょうか。またハイトコントロールは個別に動かせ、パラマウント 楽匠Zと同じようなバックアップ・モーションも。施設であれば1ユニット当たり1・2台は欲しくなるかな、「ただ動くだけはもう古い」ベッドのスペック1つで事業所が現場をどれ程考えているかが解ってしまう世の中がやって来ました。デスクの皆さん、気を付けて下さいね…なァんて大言壮語カマシてみましたがメーカーサイトにはまだ載っておらず、どんなに検索かけても代理店サイトに辿り着けません。ホントに売ってくれるの?

最近でこそ洗面台はあんなノこんなノが出てくるご時世となりましたが、トイレ内のソレとなりますと狭い中に設ける都合上なかなか全ての利用者様、こと車椅子には使い辛いものがまだまだ多く見受けられます。Minisd_734_3そこでテレショップ風に登場したのが来春発売予定・デンマークはロポックス(アビリティーズ・ケアネット東京・扱)の高さ調節スイング式洗面ユニット。歯医者のアレみたいな仕掛けがトイレに付くと思ってくれれば概ね間違いありません。画像中・クランクハンドルに注目、ハイトコントロールが手動なあたり如何にも北欧大阪の某社なら間違いなく電動化、ヘンチクリンなコントロールボックスをこれ見よがしに突き付ける筈ですね使わないときは勿論外しておける。かなり場所をとってしまいますので施設も「何がなんでもウサギ小屋」の日本で理解されるか、Minisd_736Minisd_735_3もっと言えばオバチャン介護が使いこなせるかは「?」ではありますが…プッシュUPを助けるとか言うこれまたヘンチクリンなデザインの、便器用起倒式アームサポートはアンチ・グラブバー派の私に追い風となるか、ならねェか?

Minisd_732名前初めて知りました、メンテック カンザイ(日建リース工業有限会社B.E.・扱)のCell Freshネット。セラミック製の網をエアコン本体ならフィルターに挟む、室外機なら吸入側のグリルにタイラップで留めるだけで通る空気分子を細分化、フィルター透過効率を改善することで電気代を約20%抑えられる、ちょっと呪いじみた?仕掛け。ウチの職場はすぐアラームが鳴るとかでエアコンの使用制限が厳しく、利用者様が暑がる・寒がる中デスクが問答無用で電源を切って行ってしまいます…屋根裏断熱・換気を含め、施設の設計段階・運用初期からこういった手筈は打っておき可き。

Minisd_713かつて同僚の看護が歯ブラシに輪ゴムで吸引カテーテルを括り付けていたのを思い出しました、まさに「こんなモノが欲しかった」ファインの口腔ケアブラシ・吸tyとペンライトに被せるバイトブロック・照明開口器 ホタル。ブースでは即売もやっていて、複数個むんずと掴んで即買いしてしまいました。吸引カテーテルのコネクターが付いた口腔清拭スポンジなんてェのもありまして、そちらは早速職場で咀嚼困難な利用者様の食物残渣をズゴズゴ引かせてもらいました。

Minisd_731コニカミノルタは「ケアサポートソリューション」大層なキャッチフレーズで監視&報知システムを発表、そろそろ売り出すみたい。センサーがドーノ、スマホがコーノと講釈垂れたところでただ知らせるだけでははっきり言って片手落ち介助者のストレスを増やすだけ、「次の一手」の自動化なくして真のICT、真の電気仕掛けとは呼べません。画像はテレビ電話よろしく介助者目線で対象者の状態をオンラインで伝える「デスクから動きたくない」医者やケアマネの立場をサポートする、ッてことらしい。メガネフレームにこんなノがくっつくのは文字通り「目の上のたんこぶ」、どうせやるならこのくらいスマートにキメて欲しいもの。そういえば私も撮っておきたいと思うものがいくつか…「某施設で大変なことがあったようだ」につきましては他所にお任せしましょう、私からはちょっと別角度で。「市民生活に冷戦構造を持ち込む」とは数年前、危機管理産業展の記事で書きました。そしてデジタル技術の進歩は恐ろしいもので、対象者と介助者が会話しているだけの映像でも然る可きプログラミング・スキルを持つ者なら2人をデータ化、乱闘現場に丁稚あげることも出来るようになってしまいましたそんなホラーはまだ実現していないと思いたいが…ただ撮って再生するだけだと思ってました?ピクサー「Mr.インクレディブル」で髪の毛1本までCG云々にはある種の黒魔術を感じていた。「よほどのこと」あってであろうことは察するに余りあるものの、事業所上層部・現場責任者を通すことなく(邪推)隠し撮りに至ったのは働く身にしてみればもはや宣戦布告・奇襲そのもの。日本中、就中元皇国臣民の子供世代が如何に戦争ボケしている子供は親の悪いところばかり真似をする・エゴ(破壊欲求)を満たすべく親(前科者)をダシに使っているか、1つの証明にはなったと思います所轄官庁や同業他法人の差し金だったとしたら?この21世紀にU-2撃墜事件が甦ること請け合い

少し前のこと、川嶋・日本赤十字大名誉教授の講演を聞く機会を得、その中でも時間と人数不足が俎上に上がりましたが教授からは「効率的にいかないのが年寄りの暮らし」「薬の代わりに使うのは時間」「対象者の一日がどういったものか再検証の上、そこへ職員の時間を散りばめられないか」といった原則が示されたのみ、各論に踏み込むことなく終わってしまいました、そりゃそうですよ。川嶋名誉教授と坂本さん、両氏の話から漠然ながら感じたのは「方法・手段で解決し得る課題にはやはり方法・手段を以って当たる可し」。仕事ですから実務者の技量・判断力は常に高めていく努力が要りますが、それらに依存した、というより全てを賭けた業務・組織運営はそれ自体がリスクである、とはノロマの言い訳でしょうか?もっと言えばハードウェアの不備を人間の精神力「だか」で埋め合わせんとする無謀さは大日本帝国が先の大戦で証明した通りだから介護保険事業は「21世紀に蘇った特攻作戦」叫ばずにおれんのダ。それから全てのケースには当てはまりませんが、機材の稼働率は絶対に50%を超えてはイケマセン。一方を使っている間もう一方はメンテナンスに回すのがフツーであり、「自称100%」を標榜した大日本帝国がその後どうなったか、ココでいちいち説明するまでもありますまいウチの職場、1つの階が2フロア(4ユニット)から成っているが、オープン前に用意されたものや消耗品を除けば1フロア分しかない道具が幾つか、いわゆる「片肺飛行」がそこここに。「融通せェ」ということらしいが、両者の業務は24時間365日ほぼ共通(当たり前!)なのでバッティングに悩まされっ放し。ア~そこの貴方、退所された利用者様の車椅子、そのまま次の方に使ってるでしょ。分解掃除したの?

Minisd_747自身の幸福追求のための労働です、介護職を幸せにしない介護の仕事など要らん!

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