国際福祉機器展 H.C.R.2015見てある記・車椅子編
おっと、10月が終わってしまう!。最終日に行ってきました。サラッと流して都内で買い物でも、と思っておりましたがやっぱりそうはいかず、閉場ギリギリまでビッチリ廻ることに。今年は川村義肢の装具・車椅子メンテナンスのセミナーに潜り込んでみましたが、内容の薄さに思わず居眠…それはさておき、今回も記事は2分割。まずは車椅子、例によって自身初対面のモノを中心に。
OXのオフ車・SERに自操版も登場。バリアフリーでデビューしたパワーアシスト版共々、こんなモノづくりがもっともっと広まって欲しいものです。昨年の基礎講習で一緒だった営業さんとも再会、新型ホイール・TT-3Rについて尋ねると「リムまでカーボンになった。(自身のTT-3と)明らかに軽さが違う」と聞こえたか、シマノ!。またOXは過日の全米オープンで国枝が見事優勝、「前日に来てサイン会をやっていた。彼は半端ない!」、会いたかったなァ~。
コヤツを見るためにビッグサイトまで行きました、日本初上陸を果たしたpanthera U3。基本構造は概ね前作を踏襲していますが、段付きトレッドのキャスターが転がり抵抗低減と不整地での安定性を両立、ホイールそのものをプッシュアップに使えるハイブリッド化されたサイドガード「ゴムを使っているのでいずれはヘタってしまうだろうが」と、同じくプッシュアップし易さとロープロファイルの両立を狙った突出し3段階調節機構付アームサポートも併せて登場、またブレーキのワイヤー&ダイヤルアジャスターは廃され、介助ハンドルがキャリーバッグを思わせる角パイプのモノに代わっています、尻もち防止尾輪も折り畳みが容易にetc.あちこち見直されていました。
総じて角が少し丸くなり、柔らかさが増していますが、しゃっきりした駆動感・ベルビス(骨盤)サポートの柔軟性はやはりpanthera。アクティブ・ユーザー向け機の元祖でありながら今日もなお他社の追随を許さない代理店の体制が改まって以来他ディーラーから「売り難くなった」と陰口を叩かれようとものも頷けます。また「座布が弛んだ」ときたユーザー20年前の機種だった、もはやクラシック・カーものに営業さんがその場で張り直す様には感心させられるばかりでした。
こちらは玄人(GENTO)のブースにあった、日常型車椅子へ合体させるハンドサイクル。1枚のディスクローターにキャリパーが2つ付き「BB7じゃなくてBB5ってところが(ほどほど感出てる)、でしょ」と。1ピースの「5」のほうが「7」より重いもののキャリパー剛性で優るのダ、それぞれが左右のレバーに繋がるの、自転車には無いので面白いでしょ。更に付いてるリム制動ブレーキは「パーキング用」とのこと。パワーアシスト仕様の「これ見よがし」もさることながら、
完全自操仕様にはSRAM製内装3段+外装10段ハブが。「チェーンホイール(手元側)径を抑えつつ大きなギア比を得るため」だそう、ヘェ~ですね。昨年の養成講習で一緒だった営業さんと再会、しばし同窓会に。唯一の不合格者!Zさんは「懲りた、もう二度とやらん」と、いや、やり直しなさいッ。また同社取締役が書いた本を「御挨拶を兼ねて」即買いしちゃいました、ビデオディスク添付なのが今様、後でゆっくり観ることにしましょう。
橋本エンジニアリング MC-Xには小さな介助ハンドルが付いたほか、フットサポートを留めるネジが2本ずつに。ハンドルについては介護の現場事情と個人的見解を伝えておきました橋本社長からは「まだ付けただけ。このままではいけない」と。剛性レベルなのかバランスなのか?構造には疎いので解りませんが、漕いだ感じがpantheraに比べてずっとモッタリとしているのが気になりました。近々モニターを募集するとかで、開発が次のフェーズに移ったことを窺わせます。ア~それから社長、競合しそうな他社製品をこっそり買っといて徹底的にバラシて研究す可きですよ。
ピジョンタヒラの新製品・アシスタイースシリーズ。坐布ではなく何本ものコイルスプリング付ワイヤーでクッションを支え体圧分散を狙うとか。でもこれって坐面が弛みっ放しッてことでしょ、下肢内旋を助長しないかしら?と、しなくてもイイ心配。そんなわけでフレームに折り畳み機構はありません。
密かなブームを呼んでいるらしいのがハンドリムのオーバル化、画像左はアウトフロント(アクセスインターナショナル扱)のSURGE、同右はTIG。アクティブ・ユーザーのリクエストなのかな?Mikiのアレ共々、こちらも更なるバージェス・モンスター化の予感。蛇足ながらマツナガ NEXTCOREシリーズのWウェーブ・デザイン、内側は握らせ(指をかけさせ)、外側は掌で押すためですよね、単純な真円やオーバルより力の弱い人向け高圧タイヤと併せてだと思います。
これもアクセスインターナショナルのブースにあったパワーアシストユニット・MAX Mobility - SmartDrive MX2メーカーサイトはこちら。車椅子のフレームにぶら下がってるだけで駆動力を検知、ユーザーの普段通り漕ぐ/曲がる/止まるに反応しその都度然るべきアシスト駆動をするのだとか。バッテリーがどのくらいもつのかな?入手はアクセスインターナショナルの講習を経てから、装着にインチのアーレンキーが要る、といった面倒さこそあれ…YAMAHAと違って専用のホイールセットが要りませんのでコヤツの次世代機が出る頃には電動車椅子の勢力図が変わるかも?
コレも自身初対面、Nissin NA-U1に仕込まれていたGUNJIの自動ブレーキ・G-Guard-II。座面からのリンクでキーを突っ込んで車輪を止める「位相が合うところまでちょっと動いてガチャン」は同じですが、直接スポークの中へではなく専用のディスクローターを挟んでいます。リンク先冒頭のFlash「認知症でブレーキ操作が出来ず云々」は誤解を招くのでは?能力ではなく「もとよりそうする考えが無い」を病のせいにす可きではない、経験上確信しちゃうものであります介護職に言わせればブレーキの利かない危険とは車椅子ではなく立ち上がる本人そのものであるワケで。ともあれ以前も書きましたが潜在的需要は相当以上にある、御家族であれ施設であれ関わる方は初期投資をケチってはイケマセンよ。
その施設には様々な障がいを抱える方がやってきますが揃えられる車椅子にどうしても限りがありますので、少なくとも私の職場ではモジュールの組み替えを結構頻繁にやっています。それをチタンで、がTIGの新型。同社のZENより主輪ハブ軸の調節幅が広がりました。サイドガードはベルクロ留め、ゴミ集めソ~。車椅子の前座高は[フットサポート地上高+靴底の厚みを含めた下腿長+クッションの沈み量]のセオリー通りにはいかないことがあり、また往々にして施設はひとたび揃えてしまうとオプショナル(リペア)・パーツの補充をしぶりますので、パーツを取り換えることなく前座高を大きく動かせる設計をお願いしたいところ。ハンドリムの滑り止めが大きなダイヤパターンになったのは「ちょっとギラギラ」。
展示会らしいイロモノを、去年も出てたのかな?YAMAHAのまさに結婚式場仕様・02GEN。豪奢ぶりにばかり目が行きそうですが、最小限の大きさに抑えられたバックサポートが左右2分割に、これまた最小限のサイドガードに同社のウリであるパワーアシスト機構のスイッチがさりげなく仕込まれているのは「ほほォ」。どこまでフィッティングを詰めれられるかは不明、挙式当日土壇場になってから新婦が「坐り難い、やっぱいつものpantheraにする」なんてェてことになったりして。
この続きはメカヲタ&裏ケース会議編で。なるべく早くUPするつもりですがそこは「私の」なるべくですので…。
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