百葉メディカルケアセンター 内覧会
遅くなってしまいました。
去る3月27日、富士市に今月オープンした湖山医療福祉グループの複合施設・百葉メディカルケアセンターの内覧会を覘いてきました。一昨年行った萌木とは目と鼻の先、相変わらずあの坂は堪…じゃなかった、鍛えられますって言わなくっちゃ。隣は7-ELEVENと、ローテーション勤務には理想的なロケーションと言えますが、職員同士何を食ってるか判っちゃうのはちょっとねェ、でしょうか日本軽金属蒲原製造所併設の商店街ほどエグくはないけど。
出掛けた目的の1つが髙口ゼミ。今回は「『大切な人とともに暮らす』 ~ボケも寝たきりも怖くない~」と題し、主に今後ココへいらっしゃるであろう御高齢の皆様向けのお話でした。在宅介護の困難さ、今介護保険で出来ること…etc.「ボケと寝たきりはどっちがいいか?」は定番メニュー。当日聴講された皆さんの多くは「どちらかと言えば寝たきりか」だったような。時間の都合で深くツッコめなかったのは残念、このオチ及び模範解答!?は「病院でひらいた生活ケア」に綴られていますので是非一読を。終講後髙口さんが「いつも終わった後『これでは駄目だ』落ち込まされる。自分がいちばんのバカ」と仰っていたのに些か驚かされましたが、それッて進歩し続けている証では?昨年F1シリーズ・タイトルを獲得したメルセデス・ワークスチームの「常に『これで本当にいいのか』との疑問を持て」に通ずるものを感じます。
さて、中を回ってみましょう。こちらは1階・ももはクリニック石坂の診察室、この辺りはフツーに病院です。感染症が疑われる外来患者向けに専用の待合室が設けられているエントランスは共通だがのが今様。またMRI「シーメンズ製」にピンとくるお年寄りも少数派になりつつある?は勿論のことDEXA式骨密度測定器など、ターゲットである高齢者の子供世代が喜びそうな機器がバッチリ揃えられていましたよ。
同じく1階のデイサービスセンターARK(アルク)。昨年のてるてるぼうずといい、近頃はこのテのパワーリハビリを主軸としたデイが流行で各事業所が鎬を削っています。二国(第二国民兵)復活への布石?筋トレを全否定するつもりは毛頭ありませんが。私はと言えばPanasonic デジタルミラーでヘラヘラと遊んじゃいました。免荷機能付きルームウォーカーや「角度によって作用する部位が変わるとか」シート一体型頸部牽引機、対象者の身長を自動認識の上マッサージ部位を最適化させるウォーターベッドも自身初対面「リハビリに託け高額な機器を売りさばく『介護マフィア』の暗躍が(三好春樹)」…。センター長さんは31歳!百葉は学校を出て2~3年の若手でもフツーに役付きに登用するそうで、将来の管理職を早期育成→今後も「バンバン事業拡大するゼ」意気込みが伝わってきます。ココもキッチンの換気扇フードが低く、長身の職員の強敵となること請け合い。
コレはなかなか無いでしょ、同じくARKの洗面台。高さはそれぞれ640・690・740mm、体格及びADLレベルにきめ細かく対応します「現代の日本人に合わせた」メーカーのセールストークを鵜呑みにしたデスクが全館780㎜に揃えやがったどこぞの回復期リハビリ病棟とは大違い。車椅子のアームサポート高は調整出来るモノが必須かと、安物のソレは結構高いのでブチ当たるとシンクの低さが活かせません。但しシンク底は極フツーのラウンド型、環プロダクツのフラット型ではありませんでした物が置き易いのにな、アレ。2・3階も造りは共通、ただし画像のデイフロアのソレは対面キッチンの裏側にあり、見守りが…フロアとコチラの両方に職員が必ず付くのが前提ですね。
その2・3階は有料老人ホーム・リライフ富士。居室はこんな感じ、ベッドのみならず手すり付きタンスもパラマウント製こんなモノも作ってたのね。利用者様の家具持ち込みも可。サ高住と同様1戸のアパートメントなので全室トイレ完備。便器操作盤のスイッチが大きく解り易いものに、コールのスイッチがほたるの丘よろしく低いところへ、と萌木や星のしずくから見直されています。起倒式前手すりがこれまた完備されてるのは介護保険施設よりもちょっとお金が使える、ッてこと?比較的重症度の高い方の中にはグラブバーを掴みながらトイレットペーパー・ホルダーに肘をかける場合があり、木ネジコーススレッド?3本全館共通は正直不安。扉はA&K製、程良くダンピング(フリクション)がかかり、ガラガラ言わないのでこれまた上品な印象を持ちました。
廊下壁にはピクチャーレールが張り巡らされていて羨ましい。レク作品は思いのほか重くなりますのでこのくらいは絶対必要部長、ウチも早く予算つけてよッ!。廊下の途中にはパブリックとは別に広間が設けられ、レクやリハビリ、御家族面会の場に個別企画なんてェのをココで打つこともあるのかな。扉で仕切って1つの部屋にもなります。さらにその奥には散髪にも使える洗面台があり、階下が別施設であることから利用者様を縦移動させずに済ませる工夫も特養や老健なら1階に設けるのが通例か。
パブリック。テーブルは天板高、椅子は座面高がそれぞれ異なる2種類備えられているのは星のしずくと同じ。TV画面の微妙な高さに注目、これなら利用者様同士で遮ることがありません見える、見えないを駆け引きに使う不埒者がいる(席順一つも声のデカさで決まる)のだ。またあれ以上高くするとオバサンの視界に入らない。職員が事務仕事で詰めるであろう一角撮りそびれました、ゴメンナサイはキッチンとは別にパソコンテーブルが設けられ、特養・老健よりちょっと上等な作り。余談ながら写野からは外れていますが当日戴いたケーキ及び百葉の頭文字・Mロゴの付いたお菓子は厨房で作っていました、やりますナ。
同じくリライフ富士の風呂。施設的個浴室と「なるべく1人で入りたい」もう少しプライベート化を意識したソレがニコイチになっていて、双方を職員が往来出来るようカーテンで仕切った出入口で繋がっています、新たな提案ですね。もう1つ目を惹いたのは浴槽を壁に付けつつもそれ自体が左右に動かせ、どちらの健側・患側を選ばなくなったこと、入浴1つでユニット間を行ったり来たりせずに済みます湯を満たしたまま動かせるのかなァ?聞きそびれました。シャワーチェアは形が入り組んでて掃除が面倒、と話したら画像の職員さん「前のトコでは私の仕事だった」期せずしてにわかに意気投合してしまいました、こういう方に長く勤めて欲しいですね。
さて、ここでレビューが終わったら片手落ちというもの。職場環境としての施設で私が重視するのは2点だけ、「どこに自転車がツッコめるか」「1人当たりのロッカー容量は自転車通勤を続けるに足りるか」であります、きっぱりと。前者は以前の繰り返しになりますが本州南岸に沿って東進してくる低気圧に向かって吹き込む北東からの雨風をしのげその本州南岸に限れば南、或いは南西から雨が降るのは寒冷前線通過直前か、太平洋の気団が停滞前線を押し上げる間と、条件は限られている。裏を返せば本館北側には停められない、ちょっとあったところで全てびしょ濡れ!全く以て用を成さないのダ、且つそのひさしが本館(職員通用口)と繋がって初めて、そこを駐輪場と呼べるのであります。少なくとも私の知り得る限りにおいてこの条件を満たしたところは無く、百葉の会もずっとおざなりにしたまま。雨が降っただけで商店・職場・事業所を含めた街の機能がどれほど麻痺するか、クルマ生活者には解りますまい。入職当初は自転車で来ていた新卒も中にはクルマに乗り換え、あまり言いたくないけど退職者が出たり若手でも幹部候補生は異動を繰り返す、もっと言えば介護保険施設は制度上そうそう職員は増えません、多くの場合「入っただけ出ていく」ので年度初めの駐輪場混雑など羽毛の生え変わりみたいなもの、確信を以って言えますナ。
そして後者、合羽ばかりではない自転車自二も通勤を長きに続ける、安全・確実なものにするための諸装備は意外以上に多くなるもの。ユニフォームの無い事業所は当然その分ロッカー(室)のキャパシティーが削られてしまいますのでもはや絶望的!日々クルマ通勤で運ぶものがタバコとケータイと皮下(中性)脂肪だけ、な人には関係ない話だが本当はなるべくなら職場に私物を持ち込みたくありませんが、道具・機材・環境に関心の乏しい、発想が及ばないトコはそんな仕事以前の苦労に時間と手間を費やなねばなりません。
長くなりました…てなワケで両者は安心して仕事を続けるうえでどうしても無視出来ない、手当てが幾らか出た、リフレッシュだか何だか知らないが休日が何日ついた以上に重要である、我見ですが福利厚生とはそういうものではないでしょうか。ここ百葉メディカルケアセンターの職員も問題が表面化こそしなくとも相当悩まされると思いますよ富士山麓は天気が不安定ですしね。
…
知れば知るほど釈然としないものを感じるのは私の適応力が落ちているから?少々自嘲的になりつつ大渕街道の坂を駆け下りたのでした。当日戴いた付箋セットは早速職場で使うことにしましょう。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント