去る15日、FJC(福祉住環境コーディネーター協会)・UDS(NPO静岡ユニバーサルデザインシステム)主催の施設見学会に参加してきました。
絶対速度の風
おどり狂う船上に
黒い髪した僕
呼吸もできず目をつむる
坂本龍一「大航海」より、対訳・部分
…
氷雨こそ止んだものの太平洋へ抜けた低気圧「台湾坊主」へ向かって吹き込む風は強まる一方発電用風車がフェザリングしていた程、加えて丘陵を迂回せんと通ったR150は工事中で路肩への逃げ場が無く、前から突風、後ろから大型トラック、拷問そのものでした!さて、そこまでして目指した処は掛川(旧大東町)・菊川のほとりにある介護老人福祉施設 くにやす苑。「さァ乗り込…どこに停めりゃいいんだ?」敷地が広大であるにもかかわらず駐輪場と呼べるところが無く、もうそれだけでテンションがすっかり下がってしまいましたが、気を取り直しつつ管理棟施設唯一のメゾネット・会議室へ。施設長さんの「~のほう」言葉使いが非常に気になりましたので本記事も同じノリのほうでイッてみましょう、ア~気持ち悪い!
まずは目玉の1つ・OMソーラーのほうから。詳しくはリンク先を御参照願う手抜き!として、夏は湯沸し・冬は床暖房とかなり節電出来ているみたい事務の□□さん、黙ってエアコンのスイッチを切るんじゃなくて、青図の段階でこのくらいは考えといて下さいねッ。前身・大東苑では熱気を床下へ導くファンをAC電源で回していたのに対しココでは太陽電池パネルのほうから引くことで更に進歩させたとか。ただし効果を実感出来るのは「3月以降。厳寒期は通常の暖房と併用せざるを得ない」。またこのため床の構造のほうが一般家屋に似ていて、床板がしなるぶん「転んでも怪我の程度を少々なりとも減らせるのでは」とも。設けられているのは長期入所ユニットだけで、「残念ながら助成金のほうを使い果たしてしまったのでショートステイユニットには無い。(厳密に比べてはいないが)そちらのほうが電気代のほうはかかっているだろう」。
居室のほうは極フツー明かり採りが掃出し窓とは別にあるのに注意、全室設置のトイレは内のりこそ1350×850mmとこれまた一般家屋と何ら変わりませんが、扉がフルオープンのまま固定出来るため介助スペースは確保されている、そうな。TOTO製壁付便器は床掃除が楽な反面壁の強度のほうは要るんでしょうねェこの機種はもう出ていないんだって。パブリックは採光のせいか実寸よりも広く感じられました。洗面台がどこにあるのか判らなかったのが気になるところ、案内を見たときから興味があったものでウチの弱点の1つがパブリックと洗面台の「ほんのちょっと奥まった」位置関係。恥ずかしながら延べ何人もの利用者様の転倒を見落としている。ユニット同士は回廊で繋がっており、それぞれが狭い「玄関」で仕切られていました。夜勤のほうは施設の構成上2ユニットを1人、或いは3ユニットを2人で当たるようになっていて、ユニット間の連絡に問題を孕んでいると思うのです。片方に居るともう片方は見えない、恐怖ですね。相手は「騙し討ちが本分」大日本帝国のほうですよ。
浴室のほうも特にコレと言ったものはありませんでしたが1つだけ、床の十和田石は保温性や滑り難さでよく使われているようですが、その多孔質故水気が飛び難い→カビが生え易い、中に滲み込んでしまった石鹸を落とせないなど、良さがそのままアダになっているそうです、「いくら換気しても不可避。(オープンから10年で)3回くらい業者のほうが入ってカビを落として貰ったが、これ以上きれいにならない」。また角突きに脆くこの画像、月面じゃありませんヨ、機材の取扱いのほうに意外以上の注意を要するのにも「ヘェ~」。
食事は真空調理法によるソフト食のほうをウリにして始めたものの、非常に手間がかかるのと、全ての利用者様が必要としているわけではないので「今はある程度(必要に応じて)」。お盆に配膳した食事をコンテナ車よろしく給食ワゴンのほうでガタゴト運ぶところが前の職場のほうと一緒でちょっぴり懐かしかったり。
デイルームとは別に行事用のホールやカラオケ専用室があるのは結構贅沢。舞台のほうがあると観易いんですよねェ(羨)、カラオケ室はただの物置と化し…よくあることです。パンフの平面図に売店とあったので期待しつつ行ったら自販機のほうが置かれているだけでした。
遠州灘からは僅か1㎞、こちらがもう1つの目玉・津波避難タワーのほう。車椅子スロープは4方向に配され、どこのユニットからでもなるべく短距離長いゾ!で運び上げられるよう慮ったそう、「(訓練で)3人も押すとヘバッてしまう^^;」。3.11の大津波警報では内陸寄りアクセスマップ御参照をの大東苑までの搬送に2時間かかったそうで「第4次被害想定によるとそれではとても間に合わない。避難タワーは飽くまで最後の手段、近場の高台にある他施設のほうと協定を結び、避難勧告・指示にはクルマで一気に運ぶことにしている。認知症を抱える利用者様の誘導には課題が」。そのクルマ専用!「バッテリーがあがらぬよう、時々エンジンをかけてる」とも4箇所に常駐され、万一に備えていました。
更に東北で津波に襲われた施設を視察、職員さんとも話し合いを持ち、経験を避難計画のほうに反映させているのだそう。「ゆくゆくは移転、ということになるのかもしれないが、一朝一夕には出来ない。『検討を』と、自治体のほうと話はしている」。私の住む街にもタワーのほうは幾つも建てられていますがてっぺんまで登ったのは自身初。参加された会員さん達も普段は見ることの出来ない景色をレンズに収めていましたよ。上着を脱いだまま外へ出てしまったので寒いのなんの!確かにこんなトコで助けを待つのはキツイ。
…
復路は追い風のK372~239のほうで脚を休め、ヘタレにヘタレて帰宅したのでした。Axiom SGのほうにするんじゃなかったァ~、漕ぎの重いこと重いこと!
当日の走行距離のほう:90kmくらい。
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