介護職のためのシーティング講座
去る1月12日と2月9日、名古屋企業福祉会館で開かれた雲母書房主催のシーティング講座へ行ってきました。「タクシー代1100円だとォ!!」名古屋駅から会場までDAHONをチンタラ漕いでも10分余り、こんなときクルマは不経済です。
1日目は三好春樹・福辺節子・光野有次の御三方揃い踏みの超豪華版!三好さんからは「坐位がお年寄りの生活をつくる」と題しいつもの話^^、しかしながらテーマのせいか響きと申しましょうか印象が普段の介護・認知症ゼミと全く違い、あらためて感心させられることしきり氏は翌日も他所でゼミをひかえていたためか午前中だけで早々に退場。
「坐位にあって人の重心(線)は座骨(結節)の後ろを通る、加えて腸腰筋は長時間緊張していられないため骨盤は後ろに傾きやすい。これに対し人は背筋を曲げ、上体を前屈させてバランスを取ろうとする」福辺さん・光野さんからは坐位保持の実際、アンカー&ベルビスサポートの意義、「実は臥位が決まれば座位も決まる」臥位から始める姿勢の評価、介護職でも出来るベッド上のポジショニングの勘所、1945年型車椅子の普及がもたらした弊害とその対策も。
2日目は光野さん単発でもともと両講は別々に打たれたもの。前回のおさらいに続いて日本人の姿勢を形作った歴史的背景、お年寄りに多い障害・疾患と姿勢管理、快適な坐位のための姿勢づくり、車椅子の形式とそれぞれの特性、用具に応じたシーティングの実際。画像はでく工房の汎用アンカー&ベルビスサポート・クッションセット「座位質改善」のセッティングをしているところ、微調整一つでそんじょそこらの安物車椅子が高級機に化けたかのような錯覚を起こすスグレモノで、受講者達は腰を下ろすたびに「おおッ」と声を上げていました。氏の著書「シーティング入門会場で売ってないと思ったら中央法規だったのね」中にはより突っ込んだ坐位(姿勢)評価リストなんてのもありますが、こちらは殆どPT・OTのテリトリーで、介護職の「何となく」はおよそ歯が立たず、やはりシーティング技能士講習に挑戦するほかありません。
こちらは「本邦初公開」でく工房の最新鋭リクライニング車椅子「モデラート」を介助者目線で。リクライニングとティルトが完全連動、リクライニングでいつも問題となるずり落ちを解消しました。持ち上げた感じでは機構の割に軽かったような?予価は20万円、4月のバリアフリー2013で正式デビューするそうな。またクッションは側臥位の安楽性を高め画像では見づらいが右上のトンネルみたいなヤツはその側臥位で上側になる脚をのせるモノ。2つ1組で使う、これまたありがちな四肢が屈曲したまま拘縮するのを防ぎます。「エッジが当たるのが気になる」受講者からの声には「再考する」。値段を聞かれ「2万円で出せるのなら頑張って作る」と。
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ぶっちゃけた話、車いす安全整備士を取得した昨年3月末、「もう現場(直接処遇)はやめよう」と集中力が途切れてしまいました。既に異動を承諾した後故そんなことなど言ってはいられませんでしたが、再びモチベーションを上げるのは正直大変でした…プーチンがタンクコフの砲撃に四散するモスクビッチ(逃走車)を空中で直しつつ改造、ジェットエンジンかまして逃れる「戦車注意」、アレを車椅子でやるのがささやかな夢、なるべく専門性を高める方向へ行きたいものです。まして私にとってキャリアUPとは背広を着ることではありません。後はポスチャリング車椅子ならシーティング、ベッド上ではポジショニング技能と福祉用具個別援助計画書の書き方さえ身に付ければもう介護職、命削ってローテーションこなす必要がなくなります、たぶん。
己の人生に生きる、勝手でしょうか。
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