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2012年10月23日 (火)

SJAC2012国際航空宇宙展

Mini_sd_898Mini_sd_902前回幕張で見たのは学生の頃のこと、ホント久し振りです。ポートメッセなごやは自転車を寄せておけるところがあるので現地で走らないくせにDAHON抱えこの件についてはまた後日、去る13日に行ってきました。早めに地元へ戻りたかったので9時過ぎに名古屋入り、同じようにやって来た開場待ちの皆さんがなす長蛇の列がはけたら入ろうと思ったところこれがなかなかどうして時間がかかるおまけに会場周辺がやたらタバコ臭かった。しびれをきらして最後尾についたところやっと理由が解りました、だらだらとチケット切りしているだけでなく入場に当たり1人ずつリストバンドを渡し、ゲートを抜けたところで客がソレをはめていたので流れが悪くなってたんですねェ。「全く以ってバカなことを」…それでは漸く場内へ、内容は多岐に渡っていますので目立ったものだけかいつまんで。

Mini_sd_891Mini_sd_893「レシプロ・エンジンは4行程のうち1行程しか実際には仕事をしていない。そこでシリンダーを増やしていったわけだが、高出力化にあたり吸気→圧縮→燃焼→排気を連続化出来ないだろうか?がジェットエンジン開発のきっかけだった」と熱く語るオッチャンの前におわしますは日本初のターボジェット・エンジン「ネ20」。辺りはヒコーキ小僧「元」を含む達がグルリと取り囲み、これまた熱い視線を投げかけていました検索してみたところ出展は恒例みたい。基礎研究だけなら日本もけっして遅れてはいなかったこと、絶望的戦況、突貫作業で進められた開発牛車で運ばれたのは十二試艦戦だけではなかった、降伏寸前に木更津から飛んだ橘花、接収…燃料・滑油ラインが色分けされているのはノースロップ工科大学かのノースロップが社の人材育成のために作ったの学生達が自らの勉強で解り易くするためにいじったためだとか。Mini_sd_892Mini_sd_894英語の銘板は「大学の好意で、を示せばずっと無償でOK」70年代にIHIへの貸し出し事実上の返還。当時アメリカは既に本機を遥かに凌ぐものを実用化していたからにあたり付けられたもの。「ジェットエンジンの開発は今なら20年はかかる。どこまで持つか、をはっきりさせる可く耐久試験を繰り返すため」ドイツから持ち帰った概略図からわずか半年でプロトタイプを飛ばしたのは当時にあっても驚異的。「やれば出来る」を証明してみせたとはいえ、それは同時に無理に無茶を重ねる狂気じみたもの、思わずにおれません。「ターボ・ラムジェット・エンジンの理論は完成されているので、皆さんのお孫さんが皆さん位になる頃には実用化されているだろう。その暁には私にも教えて欲しい、いるかどうかは知らないが」とも。

Mini_sd_897Mini_sd_8994年に1度の開催ですので本展ではやぶさ(MUSES-C)の実績をアピールするのは帰還以来初めてとなります。画像は左が古河電池製Li-ionバッテリー天文衛星・探査機搭載は史上初。1億3000万回云々のアレだ、右は太陽電池パドルのヒンジに使われたNTN製球軸受見かけこそ地上で使うものと同じだが潤滑法が異なる、とのそれぞれ同等品。JAXAのブースにあったデッカイ模型は浜松にも来てたヤツでしょうか、ビデオは帰還直後の編集から手直しされておらず残念。Mini_sd_889そして「コレを撮りに行ったようなもの」はやぶさ2のスケールモデル。外観上のポイントはKaバンドアンテナとインパクター、新たにハイドロコスモジェン砲が搭載されたほかミドルゲイン・アンテナのマウントが2軸になっています。サンプラー・ホーンもモデファイされたそうですが、それらは中身の変化からすればほんの僅かなものらしい。

Mini_sd_890そのはやぶさカプセルのきょうだいがコレ。先日のHTV3号機に搭載され、大気圏再突入データ取得に成功したi-Ballのエンジニアリングモデル、かな。前回・2号機でも同じことをやったものの、アメリカ製故データの一部が非公開のため成果を十分に検証出来なかったそうな。

Mini_sd_888Mini_sd_887北海道で打ち上げテストが繰り返されているCAMUI SPACEWORKSの90P型ハイブリッド・ロケット、左画像がクラフトモデル、右が本物近況は植松さんのfacebookを参照のこと。アメリカでは民間機がISSまで行ってるくらいですからゆくゆくは日本も…「千里の道も一歩から」まずはこのくらいのヤツからデータを蓄積していかねばならないのですね。

Mini_sd_904コレが本展の目玉・MRJ(三菱リージョナル・ジェット)客室モックアップ前の混雑状況。座席は本物なのでしょう西陣織には見えなかったけどが胴体の輪切りはTV番組のセットみたい、およそ飛行機とは思えないハリボテでした。実際に座っての記念写真はOKらしかったのですが傍からカメラを構えるとすッごく怖い顔した係員に制止されてしまいました、企業イメージ落としますよじゃなかった、正体バレますよ。そこは開発中、見せられるものしかもって来れないF1の新車発表会だってあからさまに前年仕様のウィングやディフューザー付けてるじゃないののだからそこまでして勿体ぶる意味が解りませんでした…それはそうと、自称・国産が久し振り御存知のとおり「実は国産」はケッコウあるなのは本当としてもYS-11ガラス以外は全て舶来だったなんて言葉を持ち出すあたり世の中後ろ向きになってる、との思いを禁じ得ません。

Mini_sd_905Mini_sd_906会場の隅の方ながらデ~ンと鎮座していたのはKawasaki BK117 C-2 ドクターヘリとAgusta Westland AW169。本Blogでヘリコプターを取り上げるなんて珍しいでしょ、「こっちはキャビンの奥まで写真撮り放題だったゾ」三菱へのアテツケですから。したがってココで両機については詳説しません。

Mini_sd_901Mini_sd_900SEECATを通り越してモロ戦争だったのがロッキード・マーティンのF-35用光学照準システム、或いはミサイルのカッタウェイ・モデル達。航空宇宙展とくればこういったものまで含まれるのでしょうが…このへんのネタもJ-Wing誌で速報されていますのでテキトーに立ち読みされたし。

Mini_sd_903新明和US-2先代・US-1Aのビデオに感銘を受けたのは十ン年も前のこと。映画「海猿」公開にずっと先駆けていたスケールモデルとプロモーション・ビデオ。上面が濃緑色だとホント二式大艇が甦ったよう。以前から噂されている、海外への売り込みに係る案内はありませんでした。

Mini_sd_896Mini_sd_895昔と違って航空機の開発スパンが延びていますので、一部の時事ネタを除けば10年位空けても話題に遅れる感じはありません。開催期間中NHKで取り上げられたとおり近年中部地方の航空産業が注目されているようですが、開場が分割されていますとよほどのファンでもない限りトヨタ空港と両方足を運ぶのは考え難いと思います、即ちポートメッセじゃ狭過ぎる駅から延々歩かされ、途中公道を横断せねばならないのも気に入らん。本展の性格上動いているところを見せたいのは解らんでもありませんが、最低でも幕張遠いけど、歩かされるけどの広さが要るのでは…次に行くのはまた20年後かな?

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2012年10月 9日 (火)

国際福祉機器展 H.C.R.2012見てある記・裏ケース会議編

今回は比較的ソフトなモノを取り上げてみましょう。

Mini_sd_867と言うわけで?下着です。画像は股の布地をちょっと厚くしたくらいの軽失禁用。私は仕事柄、中に挟む尿取りパッドのホールド性が気になってしかたありません。布パンツはどうしても押さえがあまくTENAは考えて作ってあるがそれでも横ズレに注意…男女問わずブリーフパンツ履かせたくなる程。パッドの中には船形が決まりにくいものもある、ギャザーが鼠蹊部をきちんと捉まえられないため幾度となく当直が泣かされているものですから。

Mini_sd_855Mini_sd_856エヌウィック(大和ハウス・扱)の自動排泄処理メカ「MINELET爽(さわやか)」は以前本Blogで紹介したヒューマニーとほぼ同じもの。排泄吸引およびタンクと動力セクションはフィルターで完全分離汚れにさらされる物は福祉用具購入となり、貸与とは別枠、現場職員・御家族はもとよりケアマネの手も煩わせません。コレで全共闘世代と学生看護の立場は安泰だ、一歩たりともベッドから逃がさんぞ!

Mini_sd_865ハッピーおがわの新型マットレス。クッションを4分割し部位によって硬軟使い分け、より積極的体圧分散を目指しますそのうち「起き上がり補助」とか言って幅方向にも分割するぜ。なお通路を挟んだ向かいにブースを構えるは「何が何でもエアマットでモゾモゾ阻止」三和化研でした、いい度胸してやがる三好ゼミのVTR流せば面白いことに。パンテーラ・ジャパンの営業さんには「車椅子のウレタン製座クッションはマトモに洗えないため排泄漏れを食らうと臭いが取りきれない。ココやパナソニック電工で扱ってる高反発クッションを御社の車椅子(クッションカバー)に合わせて切ってもらったら?」と煽っておきました。

Mini_sd_868「ヘ~ェ、こうなっていたのかァ」タイカのマットレス「αPLA F」の内部。体重の軽い方向けだそうで最上層に隠し包丁よろしく切れ目を入れて軟らかさを演出する画像では判り難くてスマンのはOtto bockの車椅子座クッションでも見られるもの。感触は反発の少ない「ムニャッ」としたものヘバッていたのでついゴロ寝してしまったでした。骨突出のある方のマットレス選定は難しく、軟らか過ぎると動きを妨げ、残存機能を奪ってしまいます。

Mini_sd_866保険適用が後押しとなり、離床センサーも改「良」が進んでいます。画像はbio sync(イデックスビジネスサービス・扱)の「あんしん長持ち離床センサー」施設版リンク先・チラシ左上隅の看護の絵が全てを物語っている。マットレスの下に敷いた帯状のセンサーマットが臥床/離床の区別にとどまらず心拍・呼吸をも検出、それらをモニターでリアルタイム表示、波形で起き上がりと寝返りを即座に区別出来るほか容態の変化までも介護には難しいよなァ…判るのだとか。マット中央が膨らんでいるのは空気チューブで、従来機で多発したというゲル漏れを排し耐用年数を延ばしているのがウリ「5年は持つ」と。ネーミングはココから。在宅版は通信回線へ繋げられ、検知だけなら地球の裏側からでもOKです、検知だけならね。

Mini_sd_878まさに人車一体?センサーよりはローテクなのがユニケアの車椅子用拘そ…じゃなかった、抱擁型クッション「やすらぎチェア」。趣旨はごもっともですが、ソレが安心なのかただ暑苦しいだけかは人それぞれかな。腕のまわし方が変えられる、ッてェことは羽交い絞めも出来る?拘束だッてばそれでもなお立ち上がるのには理由があるのでしょうが、傍目には不可解なものもあるので皆さんお悩みなわけで…私の所属フロアの利用者様は「トイレ行くんだから止めたらヤバイぜ『アーノルド坊やは人気者』より」が多いので「今だッ、連れてけ」になります。

Mini_sd_872ベビロイドからだいぶ人間に近づきました、ピップケアウェル安心のコミュニケーション・ロボット「うなずきかぼちゃん」。声かけに応えるのみならず自ら人に呼びかけたり呼び名は8種類。「介護さァ~ん」が無くて良かった!!、腕の振りで3種類の体操遊びができるそうな。これでお茶汲みなんか始めた日にはどっかの職員など即刻クビです、トホホ。

Mini_sd_857なぜに第一興商が?と思いきや、最近こういうのが注目されているとは知りませんでした。DK ELDER SYSTEMとかいって産学連携共同研究の成果だそうで。画像のオケは「津軽海峡冬景色」ですが、ほっかむりした2人の背後にあるモニターに注目、歌体操なんですねェ。元祖カラオケ世代がそろそろ仕事をリタイアする年齢に差し掛かっているのかァ、としみじみ…社会人になりたてのころ、歌詞の無いフュージョンやゲーム音楽、はたまたKRAFTWERKだのJ.ゾーンコレは音楽っぽくまとまっているほうだのばっか聴いてた私はカラオケ付き合いが甚だ苦痛でした。よしんば要介護度が付くくらい長生きした暁にはこういったエクササイズもイマドキの若い衆よろしく携帯プレイヤー片手に独りで黙々と、なんてことになるのかしらん。

Mini_sd_874Mini_sd_875ケッコウ面白かったのがコレ、独Servona(濱田産業・扱)のヴォイスエイド「SERVOX ECO」。喉頭摘出タバコの吸い過ぎよや気管切開、或いは呼吸困難で声が出せなくなった方でも画像のように喉へ押し当てることで喉頭の動きを拾って代わりに喋ってくれます。電源は単3、専用充電池のSERVOX DIGITALもラインナップ。同機は声の大小/高低を切り替える2つのボタンをそなえ、適宜使い分けることで抑揚も出せるとか。保険が適用できるかは自治体によって解釈が異なるので「要問い合わせ」。隣に写っている黒いテトラポット攻撃状態のトモスみたいなのは1本杖の石突にはめて自立させる足で、つっ掛ける・立て掛ける場所を探さなくて済みます。多点杖との橋渡しに使えるかも。

Mini_sd_886_2重さが選定のファクターたりえることはあるにしても、素材特性まで個別援助計画書に盛り込むのは、とは考え過ぎでしょうか。このカーボン製4点杖、画像にあるとおり実測で382g。特別短く切ってはおらず、杖を持ち上げたら量りも0gを指しましたのでたぶん本当だと思います。ただしカーボン=接着ですので浴室の中までついていくのは…いきなりヘタることは無いにしても。

Mini_sd_876Mini_sd_885_2普段TV観ないからなァ、オバチャン向け番組で大反響があったとかで。IMAGE CRFT Inc.のハンガー「いちどにありがとう」、ヒゲの営業さんがカマす「芸」に客足が途切れることはありませんでした。ウチの職場では利用者様の洗濯物が日々大量に出ますので、ドラえもんの「ロボッター」でもくっ付けて分別・収納は勿論のこと更衣介助も衣類に自律行動させたくなります。

このほか介護食のブースは大盛況で立錐の余地も無く、私は早々に退散してしまいました。そして介護保険のデータ管理システムは1ジャンルを確立した感があり、そのうち単独で展示会うったりして。

他人の不幸の上に自らの幸福を築くのが資本主義社会。組織として共通の目標に向かっているかのように見えても、その途上にあっては必ずしもお互いが共存共栄でいくとは限りません。介護職は対象者の身体の外のことはともかく中でおこることに立ち入るのは非常に難しく、故に医療(職)との連携が不可欠なわけですが、それがきっかけで時として不当ともとれる抑圧に遭う・無意味な諍いに駆り立てられることも。役割・責任区分の違いだと己に言い聞かせてはいるつもりですが、福祉機器・用具について考えれば考えるほど彼(女)らとの溝を感じずにはおれません…Mini_sd_864来月、必ずココへ戻ってくることを誓いつつ再びお疲れバスへ乗り込んだのでした。

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2012年10月 4日 (木)

国際福祉機器展 H.C.R.2012見てある記・車椅子&メカヲタ編

Mini_sd_849台風の動きを気にしつつ最終日に行ってきました。前日の残業疲れに加え都バスで席に座れずビッグサイトへ着く頃猫も杓子もクルマに乗りたがるから道が混むのだにはもうヘトヘト、したがって今年のレポは相当以上にダレています、悪しからず。例によって 名古屋との重複はなるべく避け、自身初対面のものを中心に…

Mini_sd_859TiGが出展していた電動車椅子のプロトタイプ。フレームの軽量化で20kgを切っているとのこと、電源がLi-ionでもなかなかどうしてパワーユニットが重いのよねェ。YAMAHAも電動或いはPASを出していましたが、更なる技術革新に期待したいところ。

Mini_sd_850Mikiの横乗り車椅子「ラクーネ2」。サイドガードがトランスファー・ボードを兼ねるのは介助車で既にあったかなァ、そこへ跳ね上げ式アームサポートに連動する専用リンクで主輪をオフセットさせることで自操型でもソレを可能にしました。脊椎損傷C6~7のプッシュアップで移乗出来る、車椅子さえあれば身の回りのことは一通りこなせる方がターゲットかな。老獪なオバサンには触らせたくありませんね、「使い方が解らない」と鎌をかけレバー操作はおろか車椅子をベッドサイドにつけるところから他人任せにする筈。

Mini_sd_851Mini_sd_852マツナガのティルト+リクライニング車椅子「マイチルト・コンパクト-3D」デモ風景。名前のとおり小型化特に幅とかでとかく巨大だったこのテの機種も和式住宅へどんどん入っていける、即ち施設ばかりでなく積極的にレンタル市場へ食い込ませる重症化が進んでも在宅で看るのが狙いかも。左右個別に調節できる背張りは脊柱側湾でもいちいちクッションを挟むことなく体幹を支持するため、併せて背フレームがこれ見よがしに曲がっているのは肩に余裕を持たせて呼吸を妨げないためだとか。Mini_sd_853同機構は普通型・NEXT COREシリーズにも採り入れられており、今後はより高度なシーティング技能が求められていくのでしょう、私も講習行ってみたいのですが如何せんまとまった休みが取れなくて。

Mini_sd_862A.ザナルディのパラリンピック制覇で注目を集めたハンドサイクル、健常者の間でも密かな人気を呼んでいるらしい。画像はテレウスのブースの壁に立て掛けてあったもの、純競技用はパネル展示のみでした。そう言えばOXエンジニアリングも国枝はパンフレット表紙だけで扱いの小ささが気になりました、せめて祝勝横断幕くらい出す可きでしょ。

Mini_sd_863津波からの緊急避難なのだそうです、JINRIKIの車椅子牽引バー+サンシェードセット「JINRIKIサンケープ」デモ風景。段差をドッカンドッカン乗り越え、人も車椅子の上でピョコピョコ跳ねてました。車椅子の不整地操行はリフトUPでキャスターを浮かせるのが基本、長く続けるには力も要りますが…どうなんでしょうねェ。振り返ったらいなかった!なんてことにならなければいいのですが抑せ…じゃなかった、シートベルトがあるだろ

Mini_sd_854こんなモノもありました、日本バイナリーの車椅子用ロボットアーム「JACO」。ジョイスティックは手用に加え足用もあって、ブースでは掴んだPETボトルをヌゥ~ッと持ち上げていました。今は車椅子に括り付けられていますがC-Legよろしく対象者の身体に直接くっついて動く日は近いのではないでしょうか。Linuxが使えるのは「商売がよく解っていらっしゃる」。

Mini_sd_858「背張り調整までやってるPT・OTはまずいませんよ(マツナガ)」…こちらはTAKUMA SYSTEM(エヴァ ケア連携事業部・扱)のバックサポート「WR」。サドルでも積極的にしならせてペダリングを助ける、なんてェのがありますが、TIOGA「スパイダー」を思わせる2枚の穴あきパッドがウニウニ動いて上体の姿勢にならいます。この形だと平ら過ぎて腰の支持があまいかな、通気性は今後トレンドとなる予感が。専用車椅子のほか他社製にも使える汎用セットがラインナップ。車椅子の折り畳み/展開で左右をわたすチューブのジョイントを着脱するのがチト億劫かも。

Mini_sd_873万歩計に対してこちらはさしずめ「万漕計」、独立行政法人 労働者健康福祉機構 吉備高原医療リハビリセンターのブースにあったもの。どのくらいの強さで漕いだかを3段階に分けてそれぞれカウント、過去の数値も参照できるようだが、まだ憶えていられる程度のものらしい。そのうち蓄積されたデータから「頑張り度」を判別、ビリーみたいに「諦めるな!」「漕ぎ続けろ!」などと叱咤しだしたりして川嶋教授の脳トレソフトは計算の出来が悪いと「お疲れですか?」と茶々を入れてくる。あんな感じ

Mini_sd_861マッスル株式会社の移乗メカ「ROBOHELPER SASUKE」。スリング・シート両端にある巻物の芯みたいなチューブへアームを突っ込んで「おしゃれにチラシより」持ち上げます抜き差しがフォークリフトみたい。対象者が寝ているところへそのスリング・シートを差し入れ、そして引き抜く面倒臭さは天井やクレーンから吊るすリフトと同じような気が…神奈川工科大のエア・アクチュエーター同様ショールームでなら活躍出来ると思います。

Mini_sd_881Mini_sd_882ル・マンで見事にズッコケたあのトヨタがウェルキャブだけでなく福祉機器そのものも手掛けてキました。左画像は歩行アシストメカのプロトタイプ、関節の動きを助けるところがHALとは似て非なるもの。腰に提げた黒くて邪魔ッケな箱はモード・セレクター。立ち上がりや歩行といった各動作それぞれに最適化は出来ても一連の動作として調和させるのは容易ではないらしい、もっとも制御系のチップ化など時間の問題だと思いますが。そして右画像・体感ゲーム筐体と見紛うムキムキしたヤツは移乗アシストメカ、重さを20世紀的チカラで捻じ伏せる発想はいかにもクルマ屋。寸法こそ車椅子と概ね同じながら自重は140kg!トヨタのことですからこれ以上軽くは作れないでしょう、そのうち言い訳がましくハイブリッド・エンジンなんか積んだりして…そんなことはどうでもいい、応対した営業がタバコ臭かった!!

Mini_sd_883そのトヨタよりは軽い60kgなのがOtto bockのアウトドア用車椅子ベース「Scout Crawler」。車椅子は後ろから乗り込み、係留すると後は電動車椅子と一緒。キャタピラのくせに乗り越えられる段差はたったの4cm実際にはもっとイケるだろうが怖いと思う、せっかくのアウトドアなのに。

Mini_sd_870Mini_sd_871機械浴ネタを1つだけ、酒井医療「スクーピングバス カトレア」のたぶん新バージョン。これまで浴槽の前方だけを開閉させていたのが今度は浴槽全体!を「ヨッコラショ」と傾けるバージェス・モンスターぶり。おそらく機構の簡略化=ハッチおよびシールを廃止したいシャワーチェアのガイドにはシールがあるみたいからじゃないか、と。今にも溺れそうな入浴姿勢はお湯を少しでも減らすためでしょうか、シャワーチェア併用型座位浴槽はそのはたらきの割に大量のお湯を使うので出し入れにすッごく待たされるんですよ。

前にも書きましたっけ、車椅子はマスプロ製品も個別化を意識したものが目を惹きましたが、それら「道具屋の努力」がデスクや医療職に理解される意識のズレをすり合わせるにはまだ時間がかかるのでは。またノーリフトと言っても人力に代わるものを持ち出すキリスト教原理主義的詭弁だけ、チカラにチカラで押収する野蛮(思考停止)がかえって事態を混乱させているのでは?思わずにおれません私より遥かに頭のイイ人達が作ってんのにね。長くなってしまいましたので今回も2分割、続きは「裏ケース会議編」で、乞うご期待?

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