BLIND SPOT
リリース20周年を記念して。
BLIND SPOTはSEGAの音声開発チームのバンド・S.S.T.(Super Sonic Team)BAND1992年発表のアルバムです。フジテレビ系「F1グランプリ」1992・1993年の中継ではドライバーそれぞれにテーマ曲がつきホントに全員分用意されてたのかな?、本作からは2.I CAN SURVIVEがR.パトレーゼ選手、7.TACHYONがG.ベルガー選手のソレとなり、シングル・カットまでされましたが1992年に2曲合わせて4回流れただけで不消化気味に終わってしまいましたアルバム「DOWNFORCE」から同じくシングル・カットされた森園勝敏「JET」に至っては0回!シビレを切らしたのか「F1ポールポジション」で2回流れたのを聞いたことがある。J.アレジ選手の初PPは1994年、初優勝は1995年だった。ゲーム小僧達以外では全くの無名と言ってよかったS.S.T.BAND、SEGAゲーム音楽ではないオリジナルのインスト、オマケにレースは水物ですからいつ流せるか分らないにもかかわらず!当時の過熱ぶりが窺えようもの。
個人的イチオシは6.BABY UNIVERSE。「これぞフュージョン」な旋律やソロプレイ、曲全般に漂う宙ぶらりん感1980年代に流行ったソレとは明らかに異なるが今の季節にぴったり。加えて当時住んでいた武蔵野の、湿気を多く含んだ重く、ひんやりとした空気を思い出します。1992年鈴鹿1000km中継でトヨタがトップチェッカーを受けたル・マン制覇を狙ったクルマだ、国内で勝つのは当然だろシーンで流れていたのを憶えている方いらっしゃいますでしょうか?他の収録曲もテレビ愛知「モーターランド2」でよく使われ、どの曲が流れるか毎週楽しみでした。また作曲者・並木晃一は後年あの古川もとあきアルバム「サウンド・ロコモーティヴ」も同時期TVでよく使われたとユニット・FN現F-PONマークは両氏のFNマークに酷似している、と言うかモロ一緒。訴える可き!で組んだこともありましたっけ。
1993年のこと、それまでF1イメージ曲でSONYの後塵を拝し続けてきたPONY CANYONがギタリスト・大橋力をフィーチャー、あろうことかプロデューサーに安藤まさひろを据えたアルバム「IMAGES」を発表。余計な音が多過ぎる、繰り返し聴くには堪え難い曲ばかりで、フジサンケイグループからヒット曲を出したいCANYONの焦り邪推が素人目(耳)にも明らかでした。更に翌1994年「TRUTH2000」を「錦の御旗はこっちのモンだ」と言わんばかりに畳み掛けたものの傾きだしたブームのテコ入れには至らずこれまた邪推。買いましたけどね、同年5月のA.セナ事故死を悼むT-SQUARE&フレンズ「ソリチュード」にトドメを刺されてあえなく失速、そしてフュージョンは再び軽音楽ファンのものに戻っていったのでありました。
TRUTH以来TVで流行ったフュージョン系フュージョン「風」を含むインスト・ポップの中にあってこれ見よがしなタイアップ曲とは一線を画す、それでいて難解さが希薄で聴き易い佳作です。CANYONさん、このくらいでよかったのですよ。
ブラインドスポット/S.S.T.BAND
- WAVE MOTION
- I CAN SURVIVE
- TETRA WAGTAIL
- NERVE PAINT#1
- SEVENTH FLIGHT
- BABY UNIVERSE
- TACHYON
- BOTTOM FUNK
- ACTIVE AMUSEMENT
- FOR ABSENT GUYS
(全曲オリジナル)
PCCB-00085 PONY CANYON(サイロトンレーベル・廃盤)
1992年4月29日発売
(データはいずれも初回プレス当時のもの)
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