老健 星のしずく内覧会&体験デイ
「決意が強ければ強い程それを妨げんとする力も大きくなる」とは我が身を買いかぶった誇大表現。去る4月22日、九州南岸に発生した低気圧からの雨に徹底的に叩かれつつ日本の気候は最低最悪だ行ってきました。周囲はかつて全て田んぼだったであろう、学校や病院が混在する住宅街、唐瀬街道は朝夕さぞや渋滞するんだろなァ。エントランスをくぐると頭上にはたぶん電球色LED+コリメーター集光北斗七星が。ドゥベーとミラクがちょうど中庭中央を指しており、おそらくそこに植わっている木がポラリスなのでしょう中心・根本、転じて施設の理念・目指すケアを常に指し示し続ける、のですね。全景は4月6日に撮っておいたもの、自転車も写っているのは北側・デイサービス出入口。それでは「たのもォ~ッ」…
デイルーム。浴室併設のものを合わせますとトイレが13ヶ所もありました!1日何十人もの利用者様をお迎えすることになりましょうから、「渋滞」解消にはこのくらい要るでしょ。椅子・テーブルは利用者様の体格に合わせて(見越して)高低が付けられたオーダーメイド、髙口さんがセミナーで仰るところの「生首状態」ゼロを目指します。利用者様が調理に参加される通称・ABC厨房はショールームみたい、およそ高齢者施設とは思えない華やかな色使いです調理台はハイトコントロール付き!。奥には映画なんぞも見られる部屋も、「ゆくゆくはプロジェクターが入る」と。26この日も雨だった~28日の体験デイは事前に募った利用希望者にお試しサービスを提供するものでした職員の動きがシステマチックだった。鶴舞乃城で鍛えられたんだろうな。
より積極的にユニット解体を狙った?2ユニットをパブリックでL字型に連結していますが、更に隣の2ユニットとを廊下でつないで一部回廊型にしているところが鶴舞乃城と異なります「利用者様が扉を開けて奥の廊下へ行ったら職員はロストしてしまうかもしれない」と。画像は何れも2階。パブリック隅にある畳の間が床と面一なのは「ベランダへの出易さを考えて。冬はコタツを出そうか、との話も」。厨房はフロア毎に!設けられ専用エレベーター1本でつながっている、こちらでも利用者様が調理に参加2・3階調理室はリハビリ訓練室を兼ねている。鶴舞流・キャスター付調理台も。誰でもどこでも出入り自由!エレベーターは「ピッ」というボタン操作音がユニット中に響き渡り、職員はその鳴り方1つで誰のどんな動きかを瞬時に判断することになるのでしょう。汚物室は「感染対策」ちょっと見えにくい、奥まったところにありました。萌木の記事では片方しか撮らなかった洗面台の全体像も。
浴室の基本デザインも萌木と同じ。画像は左がデイルーム・右がユニット用、2~3人で入れるのが鶴舞乃城で好評だそうでこちらにも設けたとのこと。勿論トイレ・休憩所との連携にも抜かりがありません。正方形の小型が無いのを聞いたところ「アチラで使わなかったので今回は中・大型のみ」。浴室内の鏡台には左右両方にシャワーフックが付いていたのはポイント高し。ユニットの浴室は一般家庭のソレをちょっと広くした感じ、一応ストレッチャーが1台だけ備えられていましたが「なるべく使いたくありませんね」。
見よ、この車椅子の群れを。Otto bock M2・M3・M4が揃い踏み、施設勤務の方はお解かりでしょうがこんな光景はフツー有り得ません!展示会の記事でも書きましたが前座高だけで20段階も変えられますのでPT・OTは絶対に言い訳が出来ませんね、腕の見せ所です。奥側のもう一かたまりはLAC スマート(pdf表・裏)、キャスターアングルってそんなにいじるものなのかなァ?シミー対策で調整する場合あり樹脂パーツを多用し熱湯をバシャバシャかけたりしたらすぐヘタるかも生産性に配慮しつつ日本人の体格にモジュールでフィットさせるところがミソ。Otto bock程ではありませんが一般的軽量機よりも調整箇所が多くフットサポート角度が変えられるのは芸コマ、こちらも使い方次第だと思います。
居室も鶴舞乃城・萌木とほぼ同じ。「おッ」だったのは壁に2箇所設けられたコンセントの両方にTVの同軸ケーブルを受けるコネクターがあったこと、レイアウトの柔軟性が高まります。ベッドの脚がキャスターなのは想像していたとおり動かすケースもあるからだそうで「鶴舞乃城はただの脚なので運ぶのが大変だった」。低床化のため車輪径が小さく、前いた部署でブッ壊しまくった前科を持つ私はチト不安…えッ、お上品に動かせって?コリャシツレーシマシタ。エアコンはほたるの丘同様全室独立外から見てすぐ判った、イマドキ全館一斉(集中制御)なんて流行りませんよねェ~1箇所故障すると全部停めねばならないのだ。アレで当院は何度泣かされたことか…!。コールの復旧ボタンは扉を開けてすぐの壁にありました。
こちらは3階・回廊部にある通称・茶室。入口がやや低くなっており、屈んで入ります私ならいつか必ずや頭をブツケるだろう。中はこじんまりとした和室。同じく3階には面会御家族が泊まれるこれまた和室スペースもあります。このちょうど真下・2階パンフレット・見取図中「職員図書室」とあるところには雑庫が並ぶ中にマッサージ・チェアがデ~ンと鎮座、「コレはたぶん職員しか使わないでしょう ^^」。
スモーカー達が燻製にされる喫煙室は各階1箇所ずつ、換気扇が1基あるだけでしたので空気清浄機の御検討を。自転車は中庭隅のへこみに3・4台ほど並べてありました、駐輪スペースがアソコ以外考え難いのはこれ如何に?その中庭に面した1階には庇が出ていますが入口脇で途切れています、雨の日はそこだけ小走りですね。
…
髙口さんからは「いつにも増して光り輝いとるなァ」と頭をなでられ「どこが気に入った?いいトコだったとBlogに書くんだゾ」「訓練室も厨房も居室に近づけた。徹底して個別化で行くよ」「ナニ、当直室を見なかった!?案内が無かった、と言い訳」「飾られていた花を戴いて何だか女にフられた男みたいやなァ」…私が近況を話すと「そんなに思いつめるな、医療とはもとよりそういうもの。荒地みたいなところかもしれないが、それでもそこでお年寄りたちは生きているのだから」と諭されました。私の「冬の時代」は本当に終わるのでしょうか?
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コメント
静岡OTの安藤です。
静岡にはたくさんのOT安藤がいるのでしょうが。笑
星のしずくさんの詳しい記事拝見しました。
私も見学に行かせて頂きましたが、観察されている視点が深いですね!
感銘を受けました!
それも高口さんとマンツーの形跡が・・・すごいです。
また遊びにこさせてください〇
投稿: OT安藤 | 2012年5月11日 (金) 12:32
OT安藤様、いらっしゃいませ。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
鶴舞乃城建設にあたり職員の動線は熟慮に熟慮を重ねたそうで、更にその上約5年間の稼動実績から導き出されたデザインとのこと。1フロア4ユニットであろうことは外観ですぐ判りましたので、それぞれがどう繋がっているか興味がありました。そしてフロア毎に設けられた厨房、間仕切りの無い事務は他職種の顔がお互いよく見えるよう狙っているのだそうです、「別々にすると仲が悪くなるから(鶴舞乃城内覧会オープンセミナーより)」。
>マンツー
自慢でも何でもありませんが、アレは本当です。(//^ ^//)ゞ
投稿: alaris540 | 2012年5月12日 (土) 17:42