変質車 その5&6・cannondale XS800
XS800は1998~2003年にラインナップされていたcannondaleのクロスバイク、私が持っているのはその最初と最後の機種です。カタログで初めて見た1997年末、「シクロクロスの高速化を見越した予測開発か?」と想像したこともありましたが、持った軽さにこだわるクロカンレーサーにサスペンションをあてがうことはチト考え難く、本機はソチラの体裁を借りたファンライド車なのかなァ、と思っております。
画像は1台目・1998年モデル。サスペンションシートポスト・CODA 900S全然動かなかった、トホホ入荷を待ったため、納車に14ヶ月もかかってしまいました。CAAD3はガチガチ、そのくせペダリングは独特のモッタリ感があります。脚力のある方であればともかく、私は踏みきれませんでした。元気なうちはイイのですが疲れてくると脚にキます。ヘッドアングル71°・フォークオフセット45mmがもたらすハンドリングは「ステアリング・ダンパーがついてんのか!?」大味なものでこれは気に入りましたけど。肩下寸法の長いHEADSHOKに加え52cmサイズでトップチューブが510mm(水平換算・実測)しかなく、これまた独特の寸詰まり感がありました…派手なViper Redに合わせてパーツも赤いものを探したり、ステッカーを張り替えたり、と楽しんで乗っておりましたが、交通事故でフォークブレードを曲げてしまい、以来納屋で眠りについたままです。
その後継車が2003年モデル。実はAlarisの納車を控えていた矢先のことで、保険金をそちらに充てても良かったのですが、まァ、未練ですね。事故車から使えるパーツを移植してもらいました。CAAD3 cyclocross headshokは1999年からスケルトンが変更、ヘッドアングルが30′起きたことでハンドリングが素直になったほか、同じ52cmサイズでトップチューブを水平換算で20mm・フロントセンターで15mm延長して寸詰まり感を解消、更にダウンチューブ及びチェーンステイのチュービングが見直され、くだんのモッタリ感が大幅に減って低~中速域の反応が改善等々、わりとマットウな自転車になりましたそれでも丹下のCr-Moには及ばない。細かいところではWレバー台座がアウターストッパーに置き換わったこと、1998年モデルは立ち漕ぎが雑だと膝が当たりました。サスペンションのプリロードがやたら硬くてロックアウト機構を活かせず、「いつか交換を」と思いつつ…此の度Alarisへの部品取りのため解体を決意、直近の状態を画像に残してみました。10ン年前に買ったDelta V-1000は程なく友人に譲ってしまうし、どうも私はcannondaleに縁がありません。
cannondaleがDorel Industries(パシフィック・グループ)に買収されて早4年。ホンダ・カワサキ・ヤマハ・スズキにたてつくのはどだい無理だった?の話はともかく「6000系より強靭」なオプティモを出してきた頃から「これは何かがオカシイ」と感じていました。6000系使ってたのはアルコアCU92だったっけ?は溶接による劣化が大きいものの、その後熱処理を施す釜に莫大な設備投資が求められることで7000系と変わらぬ強度を出せることが知られています。切削・溶接が容易な6000系に手をかけてより良いものを、「そんじょそこらのアルミと一緒にすんなヨ」こそがcannondaleのアイデンティティーだったのですが…いくら商売とは言ってもポリシーを捨ててはいけません。その2008年のこと、行きつけのショップのオヤジが「cannondale最後のコレクションに」と買ったCAAD9ロードを見せてもらいました。私のXS800よりも乗り易くなってはいることでしょうが、溶接のビードはヤスリがけがデコボコEASTONでなくてまだよかった?「ビード削るな」の指定がありますからねで、KLEIN程ではなかったとは言えかつての丁寧さは微塵も感じられませんでした。「スイングアームの開発に一日の長があるGTにMTB、ロードはプロチームへの供給実績があるcannondaleをあてて…展開が見えちゃうね(歎息)。来年以降は酷くなると思いますよ」とはオヤジの言。
方法としてのアルミはこれからも残るとはいえ、ムーヴメントとしてのアルミはもう終わってしまったとの思いを禁じ得ません、寂しいですね。
- フレーム:cannondale CAAD3 cyclocross headshok 52cmサイズ エンド幅135mm
- フォーク:cannondale FATTY Ultra X ストローク1”ON/OFFダイヤルのみ★
- ヘッド:cannondale headshok(1.6”)
- ステム:CODA Silk Road 120mm★コレがまたなかなか来なくて電話で何度も催促した
- ハンドル:Ritchey 旧新WCS 400mmドロップ部の曲げを一部簡略化したマイナーチェンジ版。旧々版より使い易かったりする
- ブレーキレバー:シマノRX100★最近のは知らないが同時期の105共々樹脂パーツの劣化が早い・TEKTRO RL720表面処理が黒梨地アルマイトの初期ロット
- ブレーキ:シマノ BR-R550オフロードで絶対に使ってはいけない極悪チドリ付
- ハブ:cannondale omega(前後共)ラチェットがやたらうねる
- QR:BAZOOKAもともとAlaris用に買ったもの
- スポーク:型式失念たぶんDT
- リム:MAVIC CXP21(前後共)
- タイヤ:Panaracer ツーキニスト 700×28c
- シフター:シマノ 旧D/A バーエンドコントローラー 8s用「シマノ最後の在庫」と
- FD:シマノ 旧D/A レーシングトリプルRSXの不具合からココだけは奢ってもらった
- クランク:シマノ RSX 170mm★
- ペダル:シマノ PD-M535★
- チェーンホイール:シマノ 型式失念 28-38-44T★
- チェーン:型式失念 8s用★
- RD:シマノ 旧々々XTロングケージ★
- リアコグ:シマノ 旧々々XT 8s 11-28T★
- シートポスト:ROCKSHOX GPS 27.2mmΦ3年待っても来なかった!CODA 新900Sを諦めコチラを発注、2ヶ月で着たゾ
- サドル:selle ITALIA SLC GEL FLOW同記事作成に当たり画像撮りに組み合わせた。GELパッドの反発感は好きになれん
- フロントライト:物色中だったね(画像はOwleye Nano)
- テールライト:Princeton Tec RF6(ブラケットのみダイソー点滅式安全ライト 中型用)
- ボトルケージ:箕浦
(スペック・アッセンブリーはいずれも変質車6のもの。★は変質車5からの移植)
(本記事は「川端さん家の鍾乳洞」・Yahoo!掲示板「キャノンデール」へ私が投稿した内容をもとに再構成したものです)
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