バリアフリー/慢性期医療展2012見てある記・車椅子&メカヲタ編
「この晴れ間が明日だったら…」ため息つきつつ最終・21日に行ってきました。正面ゲート脇でブースを構えていたJASPECの方々にお礼の挨拶をして「昨日(20日)携帯登録証を発送した。そろそろ届くと思う」といよいよ場内へ…例によって例の如く、個人的主観で面白そうだったのを幾つか。
早くも、というかやっぱり、のトヨタAQUA回転シート仕様。方向転換中はこれもやっぱり座面前の小さなステップに足を乗せる、膝関節可動域が問われるもの。正座が困難になった方・ギブスで固めてる方は座席動かさずにウ~ヨッコラショ、になってしまうのでしょうか。HONDAのブースでは車椅子テニス世界チャンプ・国枝選手をフィーチャーしたビデオが上映されていました。
そしてモリトーの車載リフトも。介助スペースの乏しさから車椅子~自動車シート間の移乗は頭をひねるところですが、「そこはテクニックで」とばかり言っていられないケースもあるのでしょうか。
OXエンジニアリングの最新鋭モデル・GWXⅢ。ZZRの角型チューブから丸パイプを曲げたものになり、若干風通しが良くなった印象を受けます何となくセェセェしない造形は同社ならでは。キャスターフォークは欧米機で時々見かけるサスペンション付、外に出る機会の多い方向きでしょうか。クロスパイプはシングル、アームサポート高調整は8段階、主輪ハブ軸位置はエキセントリック式カラーを使う前後4段階、画像の装備状態で約9.1kg。
プロトタイプと競技用車椅子・GPXも。前者は「参考出品」とだけで説明が無くよく解りませんでした、後者は透明ホイールでフレームワークを見せる小洒落た演出。
型は変ってませんよね!?以前も本Blogで紹介した、ニッシンのCOLOURS Vortex。ドライカーボン製シート~レッグサポートにアルミ製クロスパイプのハイブリッド、独特の駐車ブレーキは一癖あるものフツーにタイヤ押さえるヤツでイイのに。またソレ故ハブが専用品勿論クイックリリース機構付で他機との互換性は無いらしい。キャスターの片持ちフォークは「そこまでする必要あったのか?」レッグサポート(バンド)が「ほかに懸ける所が…」申し訳無さそうにしているところがちょっと笑えました。カッコイイけどスペックが仇になるのでは?
Otto Bockのモジュール型車椅子・M3。レッグサポート・フレームはスイングインも可能、ただしパンテーラ S2 Swing程しっかりは入りませんスーパートランスには中途半端。跳ね上げ式アームサポートに加え駐車ブレーキレバーの延長パイプも素早く外せるのでプッシュアップでの移乗に便利。M2との違いはキャスターのオフセット量、本機のほうが大きく、足漕ぎをされる方向き。バックサポート角は3段階調整、ワイヤーを引っ張るあたりがドイツ的!?ベルクロバンドで背張り調整も可能。
前座高調整は20段階アダプター併用、主輪ハブ軸取り付け位置(高さ)はホイール径3種類に対応する8段階、座底長バックサポート取り付け位置は4段階、だったっけかな?利用者様の体格日本人の多くは身長に対し胴と大腿が長く、下腿が短いに合わせ徹底したアジャストが出来ます…モジュールは溶接の治具を1種類で済ませたい製造側の都合でもあったりしますけどね。
Tigの新型車椅子・Cloight(クライト暗イトじゃありませんゾ)。折り畳みフレームながらシングル・クロスパイプを主輪ハブ軸の所へ持ってくることでリジッドのような軽快性を狙ったのだとか、今後他社が追随するかもしれません。デモ機は座幅がたった330mmしかなく、カーボンホイールを履いて約8kgとはフレームそのものが小さいせいかな。
車椅子サイジングの大切さを訴える、松永製作所のプレゼンテーション。事例を通じてこと小柄なおばあちゃんでありがちな、大き過ぎる車椅子問題の解消を目指す低床型・ミニモちゃんをプッシュしていました。座底長・アームサポート高など、単なる小型化にとどまらないのは良い傾向だと思います身体に合わない車椅子をワンサカ作っておいてそのフィッティングをエンドユーザーの責任にしてはイケナイ、レンタル市場をかなり強く意識しているのでしょう。
そしてこちらはカワムラサイクルメーカーサイトトップ画像、モデルさんに車椅子をフィッティングさせずただ座らせているだけなのに注目の車椅子メンテナンス出前講座。タイヤの空気圧管理、ブレーキのセッティング、各部のネジ増し締め等々、ユーザーが押さえておくべきポイントを列挙していました。「摺動部の潤滑はシリコン系で。研磨剤入り潤滑剤を無闇に使ってはいけない」とは大事なところSUPERの付かないフツー5-56は樹脂部品を傷めてしまうで、今後整備士のみならず多くの人に広める可きでしょう。
もはやジェットコースター、ジェムインダストリーズのブレス2と新光産業のシュプール。両機ともレールのロープロファイル性、階段のカーブ内側の急勾配からでも昇降可能な設置の柔軟性・モーターのトルクを売り込んでいました。レールにならってシート下のメカがウニウニ動く様が面白く、ついつい見入って…おっと、まわる時間が無くなっちまう。階段昇降機はどうも茶・ミカン畑をぬって走る荷物搬送モノレールを連想してしまいます、私の地元ではウケるかも?
サンケンマットなんか目じゃないゼ、横浜ゴムMBジャパンが出展していた車椅子用エアーセルクッション・Medi-Air Sky。画像下・ウレタン部分が膝側。本体の隣にある、ケーブルの付いたのはコントロール・ボックスと専用バッテリー。底付きセンサーで適正なイニシャル空気圧を決める手動とその後は荷重の一点集中を避ける空気圧切り替え運転を繰り返すもので、部位に応じたエアーセルを配することでこれまで体幹が不安定になりがちだったエアクッションの弱点を改善したのだとか。かなり分厚いので車椅子は努めて低床型を選ぶことになりましょう。
ちょっと変り種だったのがコレ、シラカワの車+椅子。車椅子のリジッドフレームに椅子が乗っかった、先祖返りしたようなデザイン。座面高は画像奥・セットで出展されていたフツーの椅子と一緒で、「障害を負っても家族と同じ視点でテーブルに向かえる」とのこと。「如何にも福祉機器でござい」な造形に抵抗を感じる方は結構以上にいらっしゃるのかも、更なる熟成が期待されます。
…
画像ファイルサイズ制限がチト厳しいので今回も記事は2分割、続きは裏ケース会議編で紹介します。乞う御期待?
| 固定リンク
「はらひれWORKSHOP」カテゴリの記事
- DCM DK-1825(2023.10.23)
- どんけーきをぱくみする(2021.06.30)
- KAI KQ0369/HC1109(2021.05.22)
- 柄にもなく鉄分の多い時事放談を。(2019.11.21)
- GIGA MAX#2(2019.07.22)
「ケアデザインから始めよう」カテゴリの記事
- ウェルフェア2023見てある記(2023.05.31)
- 付け焼刃・第12弾(2022.12.11)
- Convair B-58 Hustler(2022.09.23)
- 老健に於ける薬剤処方(医療行為)について(2022.05.06)
コメント