丸メカニック№38 F4Uコルセア -1~-1D
本書は1983年1月号、実際に買ったのは前年12月12日ですのでもう29年かァ…例によって開発概史・戦歴は他所に詳しいので端折ります、悪しからず。
F4Uと言えば「ひたすらスピードを追求してたつもりが…こんなんなっちゃった!」良きにつけ悪しきにつけプロペラ直径が全てを決めたエンジン出力に対する適正値よりやや大きい。プロペラ径は効率低下を忍んで小さくすることが多いのだ…モーメンタム理論については検索してみてくれ、アメリカ陸海軍がスピード競争に明け暮れるなか、受注を勝ち獲る可く無理を承知で設計主任・R.バイゼルはこだわったのでしょう。ただし時速400マイル(643.7km)を目指すにあたりカウルをエンジン径ギリギリに絞りあのR-2800だ、それでもデカイことに変りはないインタークーラーのダクトとオイルクーラーは主翼付け根へ移設エアーインテークは翼前縁に開けるのが最も効率がいい、胴体外板はスポット溶接で平滑化そのため胴体フレームはイワシの肋骨みたいだ、高速でも軽く利くエルロンのロッド・リンケージ等々、「押さえるところは押さえている」のは見逃せません。そしてP-47・Fw190共々、今日に至る戦術戦闘機のジャンルを打ち立てた主脚が後方引き込みだったので胴体下にハードポイントを2つ設けられたのは決定的、航空史上大きな転換点となりました。
最終的に1万機以上も生産され、朝鮮戦争へも飛び立つことになるのですが、それはあのアメリカを以ってしても本機の新しさ・飛躍をものにするのに時間がかかったとにかくトホホの連続なのヨ証左ではないでしょうか?こと3点姿勢における異常なまでの視界の悪さ、逆ガル翼の神経質な失速特性は根治出来ず、「玄人受けした」と言えば聞こえはイイものの裏を返せば簡単には乗りこなせなかったことであり、道具としての評価を難しくしているように思います。そこをチカラで押し切ってしまったあたりがいかにも20世紀的ですね。
…
「新しい介護」実現に燃えるそこの貴方、障壁となっているのは自身固有の癖ですか?技量不足ですか?それとも周囲「永遠の女学生」達の不理解ですか??気持ちが折れそうになるその時私がいつも思い出す、本書イントロダクション・末尾の一節を引用して本記事を結ぶことにしましょう。
「実用化の過程ではらわれたさまざまの苦心は、常識を破るための苦闘でもあった。そしてこのことは、確実に時代の要請でもあったのである。」
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