XB-70 VALKYRIE -QUEST FOR SPEED-
試作2号機墜落事故から今日で45年です。
XB-70 VALKYRIE -QUEST FOR SPEED-は米ディスカバリー・チャンネル「WINGS XB-70」の日本版、現在はオリジナルをYouTubeで観られます。
ナレーションは米語の解る人が聴けば軽い喋り口であるのに対し日本版は言葉がやや硬く、非常に生真面目なもの。サントラも日本版は悲壮感全開。また映像に対して音楽を入れるタイミングが一部異なる、同じカットをしつこく繰り返さない等々、基本構成を変えない範囲でほぼ全般にわたり編集が見直されています。ただし日本版は構成上音声が意図的にカットされている箇所があり、X-2発進準備中のEB-50機内・XB-70降着装置出し入れ等々はディスカバリー・チャンネル版でしか聴けません。
XB-70につきましてはその人気から他所にコレデモカなまでに詳しい資料・解説がありますのでココでは繰り返しませんWikipediaは文林堂「世界の傑作機 №106 XB-70ヴァルキリー」の丸写しなので同書を通販か神保町で買ったほうが早い。が、敢えてグダグダ書くとすれば航空機開発の至上命題である「より速く・より高く・より遠くオリンピックか」を極め尽くした、事実上その先は無いSR-71でも同じこと・そして2号機が失われたあの瞬間、航空機の歴史は明らかに一度終わった、とみて差し支えありません、ッてとこでしょうか。
SAM・ICBMの台頭で戦略爆撃の存在意義が疑問視される一節は短いながらも解り易くまとめられていると思います。個人的主観では時系列に沿ってヴァルキリー・プロジェクトが追い詰められていく過程も描いて欲しくなってしまうところですマクナマラ云々のナレーションが受け手を納得させるには非常に弱いのだ。また本編でも触れられているU-2撃墜事件が起きた1960年といえばXB-70は飛行機の体すら成していないが、ソレは政治的背景、即ち「兵器産業の意向に従わない奴は大統領さえも殺してしまう」アメリカの野蛮さを直視せざるを得なくなり、主題であるスピードがボケる恐れがありますので間接的ににおわせる程度にとどめようとしたのかもしれません。
超音速で迎撃を振り切り、敵国中枢を核で叩く技術立証をした「事実を持ってよしとする」という落としどころは日本の自衛隊も概ね同じ。動機が邪なだけにそのくらいで止しとけば、ッて思いません?またそれ故に「スピードへの挑戦」だなんてサブタイトルが付けられたわけで。
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