ウェルフェア2011見てある記
去る21日、今年もポートメッセへ行ってきました。バリアフリーと開催時期が近く、出展企業・品目の重複が多いのでそれらはなるべく避け、とは言っても純然たる福祉機器展ではなく福祉健康産業展を謳うだけあってネタには事欠きません♪
エ~ッと、コレは以前街で見たことがあります、OXエンジニアリングの車椅子用ハンドサイクル「H1」。同社製車椅子にゲションと組み合わせ、戸外での機動性を高めるもの。クランクの位相が左右同じなのに注目、その先に付いているグリップを持ってグリングリンと漕いでいきます。もはや超合金!
アイシン精機の電動車椅子プロトタイプ。ジャイロと加速度センサーWiiのリモコンに入っているアレだの組み合わせにより傾斜のある歩道や駅のホームでもまっすぐ進めるのだとか。またレギュラーモデル・TAO LIGHT Ⅱ-mのモーターには電磁ブレーキが仕込まれ、傾斜地でレバーから手を離しても安心6度まで。確実に動くことより確実に停まることのほうが大事なのは電動車椅子も同じこと。バッテリー込で24kgは「やっぱそうなっちゃうのかぁ」、電動/手動切替レバーは左右両方に付いていますが実はどちらか一方だけで出来る要連動ユニットのでちょっと紛らわしい。
ニッシン自動車工業の身障者向手動運転システム「Joy Car」。同社のAPドライブを発展させたもので、1本、または2本のレバーでアクセル/ブレーキ及びステアリング操作が出来、既存のクルマに小規模の改修で装着可、主に脊髄損傷で両下肢の不自由な方の運転を助けます。デモ車は陸運局認可第1号、係留した車椅子がそのまま運転席になるそうですが、衝突基準を如何にしてクリアするかが法制上の課題でしょう。以前も書きましたが協調動作の苦手な私は一見原チャリ風の機能統合ハンドルが好きで、健常者向けにこそ売り出すべきだと強く確信するものであります人が思う以上に脚というのは感覚が鈍いのだ。教習プログラムを書き換えなくてはならないのでケーサツは嫌がるだろう。クルマ絡みの展示が他地域のソレと全く見劣りしないあたりに愛知県らしさを感じます。
なでなでされているのは大和ハウス工業・扱のメンタルコミット・ロボット「パロ」。SONY「アイボ」シリーズが近未来感を打ち出していたあの空山基ですからねェのに対しこちらは擬似アニマルセラピー用とあって見た目はフツーのぬいぐるみ、それでいて触り方に様々な反応を見せるするところが不釣合いな付けまつげと相まってチト不気味。人員減らされ、給料差っ引かれてカリカリしている看介護職員よりずっと安上がりかも。コヤツを人型に作り直し、「たまごっち」のプログラムをまぶせば介護シミュレーション・ダミーが…そんなことしてる暇があったら現場に人くださいよッ!
セラピーといえばこんなのもありました。「A.ヒトラーは会場地下にスーパーウーハーを埋設、その低周波で不安にさせたところへ自らがアジ演説をうつことで聴衆を催眠状態に」「タイのジャングルには豊かに存在する3万~4万Hz付近の高周波がかつて『飛び降り自殺の名所』で知られた高島平では全くと言っていいほど検出されなかった」「CDの出力域は『人間の可聴域に合わせた』もっともらしい理由で下は20Hz、上は2万Hz辺りでカットされている、これは技術の退歩だ。翻ってアナログレコードは理論上CDよりも狭いとされているが、どこかで機械的倍音が出ているのではないか(何れも近藤等則・要旨)」…とまァ、本来聞えない筈の高・低周波が意識に与える効果は少なからぬものがある、ということみたいです。福祉・介護に限らずヨガだのつぼマッサージだのが登場するのは本展ならでは。
本展で最もアツかったのはココ、陸自第10師団のブースです。画像は何れも「クッキングマシン」野外炊具1号(改)、同隊からは「2台あるうちの1台が東北へ行っている」とのこと。私が本機の存在を知ったのは渓由葵夫「奇想天外装備品 ニッポン自衛隊編」ですが実物を見たのは初めて。一度に200人分の食事を1時間以内で作ってしまうパワーもさることながら、そのメニューの豊富さに見物客の多くが驚いていました。コヤツに対抗できるのは98k様の熊野キャンプぐらいでしょう!このほか同じく被災地で活躍しているであろうソレと同一装備群が所狭しと並べられたほか救助活動の模様を追ったビデオも上映され、福祉車両のような賑わいこそ無かったものの立ち寄る人が途切れることはありませんでした。
災害とくれば忘れちゃいけない、画像は日本赤十字社愛知県支部ブースでのAED(自動体外式除細動器)体験講習の様子、こちらも皆さん真剣そのものでした。主人公がAEDを「ボンッ!」とやられていたのは映画「トランスフォーマー リベンジ」でしたっけ?アレを思い出しました。ダミーはたぶんレールダル製、その顔に被さっているのは1方向弁付き人工呼吸マスク。
大東亜窯業のごはんがつきにくい茶碗。しゃもじでイイことは茶碗でも、ッてことですよね。これだけで同社は特許を取っているそうで、想像するにどうやって型から抜くかがポイントでは。下に敷いてあるのはシリコンゴム製滑り止め、片麻痺の方は食器を手で支えられず難儀されますのでこういった配慮が大事です。コレはどちらかと言えば一般家庭用、病院・施設用ならトレイ全体を覆うヤツがイイかな。
画像撮りそびれました、今トレンドになりつつある低濃度次亜塩素酸水を、ビッグホワイ・扱の「CELA」は噴霧させます若干の加湿効果もあり。営業は「専用装置とセットで」を強調していましたが既存の家庭用超音波加湿器に入れちゃマズイのかな?
ある意味ココが本展の核心、就職・転職説明会ブース。私がいきなり中京圏へ飛ぶ、なんてことはありませんけどね、ミョ~な引力を感じたのは確か。ブースを囲うパーテーションには此度の地震の被災状況・救援活動の模様を捉えた写真パネルがびっしり貼り出されていました。
正直直前まで行こうか行くまいか迷ってましたが、東京・大阪には無い、程よいユルさ加減を楽しむことが出来ましたこの後行ったY's Roadには何も買うものが無くガックリ。 会場に大きなブースを構え、福祉用具や住宅改修の紹介・相談にあたっていたなごや福祉用具プラザにつきましてはまた後日改めて記事を起こすことにしましょう。
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