古武術の身体運用に学ぶ介護技術
去る5日、藤枝市立総合病院主催の志太・榛原地域リハビリテーション広域支援センター・セミナー長い!へ氷雨そぼ降る中、藤枝市生涯学習センターへ行ってきましたまったく、休日に合わせて紀伊半島沖に低気圧が発生するなんて…ブツブツ。
講師は理学療法士・介護福祉士の岡田慎一郎さん、氏が同地でセミナーを打つのは2度目だそうです。御題は「古武術の身体運用に学ぶ介護技術」実はこれに「~身体からの発想の転換~」なんていうサブタイトルまで付けられていた、勿論主催者が考えたものだ。タイトルだけで全てを説明しようとやたら字数を増やすのは医療従事者の奇妙な伝統なんですよ…あと司会を務めた脳外科のDrはしゃべるのがやたら下手だった。介助の実際はリンク先を参照して頂くとして、当日はタイトルどおり身体運用の基礎、いわば技術を活かすための技術・勘所を重点にお話を戴きました。
ところで皆さん、身体の前で腕を伸ばした状態で手を組み、手を動かさずに肘(腕)だけグルグルねじり回すことが出来ますでしょうか?これは腕と肩(背中)との動きの連携度をチェックする方法の1つだとかで、私は全く出来ませんでした!介護などで膝・腰を痛めるのは特定の筋肉しか使わないため大きい関節に余計な負荷がかかるからだそうです。そこで全身の関節をくまなく使う、こと介助動作においては腕と肩(背中)との連携が重要であり、肩甲骨が開いた状態を常に意識すること、持ち上げるとき手の甲側からのほうが実は大荷重に耐えられること、背骨を反らすのではなく、頚椎から仙骨までをまっすぐにすること、腰を捻るのではなく股関節の動きを活用すること、身体介助といっても人間本来の動きにならうだけであることetc.
その一方で「巷では『古武術』という言葉ばかりがもてはやされ、その実際がなかなか伝わらないキャッチフレーズの独り歩きはデスクワーカーの罠!」「状況の変化へ柔軟に対応するところにこそ意味がある、型はあくまで基本であり、型に相手を落とし込もうとするのは技術とは言わない」…特に後者、大事なことですねェ。初対面であるにもかかわらず普段の仕事見られているような気がしてギクッとさせられました。
…
実は今、恥ずかしながらあちこち筋肉痛なのですおっかし~なァ~、体操みたいなのをチョコッとやっただけなのにが、これについても当日氏は「どの関節・筋肉を意識すればイイかが解ったわけだからむしろ喜ばしいこと。痛みが治まったところでまた試してみて欲しい」、コレって身体が開発されたってこと?氏の理論・技術も日々進化しているそうで、その最新事情に触れることが出来たのは大袈裟な表現をすれば自分も時代とシンクロ出来ているとでも言うのでしょうか、ちょっと嬉しくなってしまいますね。
でもやっぱり肘は回らないなァ、ダメだこりゃ!
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コメント
>肘(腕)だけグルグルねじり回すことが出来ますでしょうか?
やってみた!
グキっ・・・。。
今この辺→
と言うのは冗談ですが・・実際左肩はぐきゅぐきゅ鳴ってたりします。
これ結構後から来るかしらん?
でもまあ本当に昔の人ってのは肉体的にも心理的にも良く人間を研究してたんだなあと関心させられます。
投稿: monozof | 2009年12月 8日 (火) 20:10
頭の悪さ故協調動作が大の苦手な私には困難を極めるテーマでありました。
退職・病欠で職員の頭数がジリジリ減り続ける昨今、コンナモノひけらかそうものなら「大変だ」「疲れた」などと弱音を吐けなくなってしまいますので「コレはマズイ」と心ならずも思ってしまうあたりプロ意識の低さが…トホホ。
投稿: alaris540 | 2009年12月 9日 (水) 00:13