現場人数不足と重度化をケアする技と方法
インフィック・主催「新しい介護セミナー in 静岡」もいよいよ本年の大トリ、去る6日に坂本宗久氏の公演へ行ってきました。タイトルはズバリ「現場人数不足と重度化をケアする技と方法」。今年前半は納涼祭の企画・運営のため外へ出るわけにはいかなかったので同シリーズ前半分はパスウソ。青山ゼミはしっかり行った、坂本ゼミは年初より最重点項目と位置づけておりました。「猫の手も借りたい中『猫の手以下』がワンサカやってきた私もその1人、トホホ」現場における40歳代の不在、それに伴うノウハウ伝承途絶に起因する技術(速度)当院の場合は「力に訴える度合い」の格差が職場の人間関係を破壊する実態もとより人間関係すら存在しない当院はどうすればいいのだ?を再認識したうえで食事・排泄・入浴それぞれの角度より明日からすぐ実践できる技術指導を戴きました…6時間はあっという間でした。画像のCD-ROMは当日の公演が「そのまま職場で出来る」データを収録したもの、「私のセミナーは眠けりゃ寝ててもいいし、メモ書きの学習効率なんて知れたもの。だからCD買って(笑)」。
結論から先に申しますと「特別なことは何もありませんでした」。人が足りない、患者様・利用者様の重度化が進む今だからこそ基本に忠実たれ、スピードと称して手を抜くな、と。部署に山積する問題を全て言われてしまいました!
よりよい介助技術持ち込みについては「いいことはこっそりやろう、そしてソレに賛同してくれる人を1人、2人と増やしていくのだ」と。エゴがなければ介護は成立しない側面があるものの、プロの仕事においてはそのエゴが邪魔になることもしばしば、とかくオバハン介護は新しいことを徹底的に拒絶します。私の付け焼刃もまだまだ未熟であまり成果があがっていないのは申し訳ない限りで、まず自分の関わるお年寄りが安全・快適であること、その仕事が楽しくなることを第一に考え精進するつもりです。そのうえで「おい、それは一体何だ?」ときたら惜しみなく伝える用意はありますが、現状その様子は全くありませんので…「無慈悲だ」との批判は重々承知の上で「力とスピードだけで突っ走る人はとっとと腰を壊してこのギョーカイから立ち去ってもらいましょう」組織として共通の目標に向かっているように見えても、その途上にあっては必ずしもお互いが共存共栄で行くとは限らない。にわかには認めたくないけど。
…
「ここが地獄の入り口だ、踏ん張れ!(『茄子 スーツケースの渡り鳥』より)」…一般病棟転換を受け先月半ばより3交代制が始まりました。勤務の細切れ化で仕事の勘所が申し送られない、深夜勤のプレッシャーから早番のくせに午前中飛ばせない「自分がやったことあるから」と副主任、判で押したように早番という早番に深夜を当ててきたのだ、睡眠と休息は全く別物であることを改めて実感しちっとも嬉しくない!、地域の介護支援研究会では転換をあからさまに「介護保険から逃げた」とまでは言われなかったが名指しで批判され…許認可制度で飯を食っている手前、約束事は当然クリアせねばなりませんが、その一方で「規則だから」が人・組織を如何にダメにするか、という現実もあったりで。「自分がダメになる前に転職しよう(三好春樹)」とは言っても、自身が抱える問題はどこに行っても形を変えて現れるものである以上、軽率な行動は禁物でしょう、辞め癖付けたくありませんし。だいいち医療保険か介護保険か、なんてのは伝票にどう書くかの問題に過ぎず、「目の前の1人にどう関わるか」という介護職の本質自体が変わるわけではない、と信じたいものです今日は本来「エコプロダクツ2008」へ行くつもりでしたが、3日勤深夜で身体ガタガタ…延び延びになっていた本記事UPを優先しました。
ともあれ、近々予定されている部署の忘年会は断固拒否ですな…「私にはもっと有効な時間の使い方がある(T.ロミンゲル)」。
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コメント
あー、、、人間関係すら存在しないってのは、楽だけどツマんない。やり易いけどやり難い。ですかね?
素直に、ふつーにしてればなんとなく関係性が出来上がるのが職場だと私は感じるんですが、積極的に構築しようとしないと出来ない、なんならしようとしても出来ないような、なんちゅーか、そういう業務内容とかシフトであったりするのかも知れませんね。
他人事で恐縮ですが、大変だなぁ。。。
医療・介護現場って人が不足だってしょっちゅう目にしますが、失業率なんかで言うなら人は余ってんのにね。内容がツラくて選ばれないのか、経営上雇えないのか、そのどっちもか。
そのうちというか、私もお世話になっちゃうんだろうケドなぁ・・・
投稿: 川端 | 2008年12月12日 (金) 09:16
「老化は成長と逆の過程をたどる(三好春樹)」…医療は問題点指向型、即ち原因を探し出し、つぶしていくことで「今日より明日をより良く」を是とします。ところが「今日出来たことが明日は出来なくなるかもしれない」老化と死は現代のテクノロジーでちょっと遅らせることはあってもこの世に生を得たもの全て生老病死から逃れることは出来ない以上基本抗えるものではありません。西洋的進歩主義に立脚する医療従事者、こと結論を示されるとすぐ怒り出す女達の苛立ちは相当のものがあるのでは、とは私の想像でしかありません。「成果のあがらないのが介護なんですから(同)」
そして!ここからが重要なのですが、彼(女)達はあろうことかこの問題点指向を同僚にも向けます。コレに女の原理主義が結びつくと「○○になったのは□□のせいだ、私は悪くない」になるわけです。患者様・利用者様、あるいは組織の問題を自分の問題として捉えることが出来ちゃう人はその圧力に堪えられず職場を辞めていきます…原因はソレばかりではありませんが。
>人間関係
人のこころ(生命状態)は基本六道輪廻、人が人のこころでいられることは意外以上に少ないもの…つまり人と人の関係だからソレが人間関係であるとは限らない、むしろそうでないことのほうが圧倒的に多い、ほかは知りませんがこの業種はそうなりやすいことを強調しました。楽だけどツマんない、確かにそうですね。人を人たらしめているものを放棄することになるわけですが、それもまた人のこころだったりします。
>人は余ってんのにね
ご指摘の通りです。
ホームヘルパー2級にせよ看護にせよ、「講習があったからちょっと行ってみた」「あんなところ二度と戻るか」が有資格者就業率の低さにつながっています。
>そのどっちもか
です。
来年度からの介護報酬3%引き上げを報じた昨晩のNHKニュースでどこぞの特養施設長が「その分で新規に職員を雇って夜勤の負担を減らしてやりたい(なかなか人は来ないが…)」と話していたように、上がったからと言ってそれが給与に直接反映されるとは限らないものと思われます。
なお厚生労働省は↓
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20081204-OYT8T00472.htm
引き上げはたったの3%、これって新規採用を阻むことにつながりはしまいか?
投稿: alaris540 | 2008年12月13日 (土) 10:50