私も「大事」を見に行く。 ~国宝 鑑真和上展~
去る10日、静岡県立美術館で開催中の「国宝 鑑真和上展」31日まで。リンクは期間限定へ行ってきました。阪神淡路大震災の影響により唐招提寺金堂が修理中もう完成している、とのことで
置き場所がないためドサ回りしている 各地で巡回展を行っているのだとか。図鑑や社会科の副読本でしか見たことのない所蔵物が近場で観られるなんて滅多に無いことです。
実は当日寝不足原因であの坂を自転車で上っただけでフラフラ、会場入り口手前のソファーで座り込んでしまいました。以下展示物と私の身体・精神状態…
- 唐招提寺勅額(重文)~梵天帝釈立像(国宝):客の列に加わらず一人フワフワ、視点が定まらない
- 五月一日だったかな?の経本:眠くて全然頭に入らない、トホホ
- 金文字で書かれた法華経写本:本展の個人的イチオシ。非常にキレイで平安時代の作とは思えない。開いてあったのは観世音菩薩普門品だったが、私としては勧持品か如来寿量品を見てみたかった
- 東征伝絵巻(重文):あ~もうダメ、観てるカッコだけ。有名な5回目の渡航のところが開いてあった。私は子供の頃、弟子の密告によって一行が寺に閉じ込められた4回目にギクリとさせられたものだ
- 鑑真和上坐像(国宝):日本における肖像彫刻の最高傑作、「せめてココだけは」と気合を入れて観る。脱活乾漆とはFRPの先祖みたいなもの。正面から左右45~90°辺りで観るとケースの反射が気にならなくなる
- 金亀舎利塔(国宝):ソファーにへたり込み、遠巻きに観ただけ
- 如来形立像(重文):フラフラと眺める。部品の欠損が逆に時間・歴史の重みを感じさせる。素人目に見ても白鳳文化のソレとは明らかに異なり、「仏像の造形様式にも流行り廃りがあるんだなァ」。西洋風のプロポーションは他の仏像群と一線を画するもので、近世の芸術家達を魅了したのもうなずける。後ろに回ることが出来るので360°じっくり観て欲しい
- 戒壇展示:仏像群に比べて足を止める人は少なかったいや、実は私も。和上渡日最大の眼目がここにあるのだが。当時の日本では税金逃れの出家なんてのもあったとか
- 金堂大修理展示:体調持ち直し、なぜかココばかりムキになって観る。創建からの歴史、大修理に見る内部構造の変遷特に明治期のソレは明らかに西洋建築の影響が見られるが非常に面白かった。瓦も時代を下るごとに精巧なものとなり、歴史的建造物といえどもその時代々々を反映しつつ今日に至っている、古いままが歴史的とは限らないことが解る。今回は明治期の構造はそのままに屋根へ補強財をかまし、屋根の荷重を内側からも列柱群に伝えることで問題となっていた外側からの水平分力とバランスをとろうとしたのがミソ
…今日(20日)、再び観直してきました開館とともに突入、チケット売り場に最初に陣取った行列がちょっとはけたところでチケットを買い入場したのは正解だった。11時ともなると入場者がワンサカ、事前に案内があった通り会期後半ともなると平日でも午後はかなりキツイ。住宅だって30年かそこらで建て替えられてしまう日本にあって1000年以上も昔のものが天変地異や戦災を逃れ今日に伝えられているのは奇跡に等しいと思います。「何でも近場で済ませる」静岡県民の皆さん、コレを観ないと一生の悔いが残りますゾ!
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