FJC施設見学会
去る25日、FJC(福祉住環境コーディネーター協会)主催の施設見学会へ参加してきました。夜勤明けの強行軍で、ガラにも無くスーツを羽織って。上だけですよ、もちろんノーネクタイ今回お邪魔したのは一昨年秋にオープンした特別養護老人ホームきらら藤枝。名前はよく聞いていましたので、かねてより「どんなところか一度見てみたい」と思っておりました。今回の参加は4名、協会の世話役を合わせても5名で「随分少ないなァ」。定員12名と案内されていましたので「これは急がないないと」と協会に電話を入れたところ受付番号が「1」だったので「んッ!?」とは思っていましたが。
稼働中の施設ですので撮影はナシよ。
廊下及びベランダがループしているのは特養などではよく見られるものです。徘徊で歩き出しても再びもとのところへ戻ってこれる。職員も見つけやすい本施設は上から見ると漢字の「日」型をしており、各居室への採光に配慮し吹き抜けが2箇所あるのは大きなポイントだと思います。最上階外周についている「屋根」、実は単なる飾りですがこれがありますと外から見る本施設はデッカイ家、といった風情でハコ臭さが薄まります、イイところに気付きましたね。
ユニットケア「ユニットでないと新規建設は認めない」と県がウルサイのだについてはまだどこも手探り状態、これがベストというケア手法は無いようで、日中は真ん中の共同生活室、もしくはセミパブリックと称するサロンソファーのクッションは立ち上がりを妨げない絶妙なコシだったで過ごして頂くとしても、夜間の目配りには「課題を残している」とのことでした。水周り以外の床はサクラ材。段差の解消には徹底的にこだわったそうです。居室の吊り扉はダンパー付きながら開きかけの状態から勝手に閉まりださないギリギリのセッティングを数万回に及ぶ開閉テストの末出してあるのだとか。共同生活室はグループホームのソレがそのまま大きくなった感じで、職員の動線をなるべく短くし、死角が生じにくいレイアウトになっていること、職員の「詰め所・ステーション」と呼ばれる場を別に設けないところは最近のトレンドです。
トイレは1ユニット4~5箇所。居室同様トイレの場所も個別化に配慮しています、部屋から近い方がイイしね。居室内でないのはやはり入所者様の「動きが見える」から扉は基本引き戸ですが建物の構造上戸袋のスペースが取れないところは折り戸になっていました。最近は折り戸のバリエーションも増えましたが、指詰めの危険は完全には排除できないみたいです。洋式便器は奥の真ん中にあり、手すりは完備されていますが立ち上がってからの方向転換が苦手な方には座るまでがチト難儀かな?一般家庭のトイレがそのまま大きくなった感じです。
浴室は一般家庭に近いものもあるようですが使用中とのことで、案内されたのは機械浴室でした。2台の機械浴槽がデ~ンと設置され、浴室自体はだだっ広いにもかかわらず一度に入れる人数は少なそうでしたので、入浴に限らず他の生活プログラムもバラケた感じにすれば有効に機能するのかもしれません。機械浴槽の取り扱いは見た目より遥かにセンシティブ、各部に挟まれたりするトラブルは大なり小なりどこでも私のトコでも起きているそうで、「安全への配慮」とかでますます機械がイカメシクなり…。
…
視覚と触覚を非常に大切にしていること、施設であっても家庭的生活感覚を重視していること、洗面台だけは各居室内にあり、ユニット内であっても「ウチとソト」を意識した作りであるところが印象的でしたが、「鶴舞乃城は更に一歩先を行っている」。本施設は生活の積極的再構築を働き掛けるデザインとは言い難い部分も見受けられ、そこが特養と老健の違いなのかなァ、と思いました。
帰りの道すがら、「この見聞を今の部署でどう活かしたらいいのやら?」と考えたとたん溜め息が出てしまいました…これじゃただの物見遊山だ!悔しいなァ。
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コメント
スーツ姿・・・見たかったです。
投稿: 98k | 2008年4月28日 (月) 23:15
あはは…スーツを着たくないから今の仕事をしているようなものです。
投稿: alaris540 | 2008年4月30日 (水) 10:37