老健「鶴舞乃城」内覧会
一昨日、4月にオープン予定の老人保健施設「鶴舞乃城」内覧会&オープンセミナーへ行ってきました、いつも通り自転車・あのアヤシイ装備(二輪用ウィンドブレーカー除く)で。庵原というところは川沿いの一本道で、初めてでもR1バイパスの曲がり角さえ判れば迷うことはありませんが、私は道なりに行けば見えてくるはずの鶴舞乃城に全く気付かず、その存在を見たのは「ここかな?」と清水庵原球場への坂コレがコタエた。久々にリア24Tを使ったを登ってからでした(爆)。
またいつものように寝坊しましたので、着いたのはオープンセミナー開催直前のことでした。スタッフ?以前私が青山ゼミに参加していたのを覚えていらしたこの奇怪な井出達ですからねェ方もいてちょっとドッキリでした。前半は三好春樹さんの、後半は三好さんと看介護長・髙口光子さんとの対談形式での公演でした。鶴舞乃城設立秘話に始まり運営方針、設備上のポイント…etc.笑い(^▽^)あり、感動(T▽T)あり、そして笑い(≧▽≦)ノ)).☆ありの3時間あまりでした。御二人の直接対談を聞いたのは初めてで、歯に衣を着せぬ掛け合いに「ここで笑うためにこの仕事やってきたのかも」と思ってしまったほど。
設備につきましては髙口さんがBlogで紹介されていますので詳細な解説はそちらにお任せするとして…では記事が終わってしまいますので、私も雑感を。利用者様用トイレは30箇所!片麻痺など障害の程度に応じてきめ細かくセッティングされています。画像左・便器の向きに注目、車椅子を横付けし、最短距離で移乗できるようになっています。全室個室ですが、アパートでいうところの「ニコイチ」が集まったような感じで、その中間にトイレを挟んだレイアウトも(同右)。便器からの立ち上がりを補助する机はアイデアもの。ただし髙口さんは「業者さんは注文してくれることを期待しているのでしょうが、たぶん皆さんは自分で作ることになると思います(参加者一同爆笑)」。
風呂はもちろん青山式、機械浴はゼロです。利用者様の体格や関節の拘縮度に合わせて幾つものサイズがあり、シャワーチェアを横付けしたうえであの!少林寺拳法テクで入れるわけですね。施設の風呂というとつい大掛かりな機械浴をイメージしてしまいますが「あんなもの飾りです、偉い人にはそれが解らんのです!」。画像はそのうちの1つ、片麻痺の方が1方向の動きで出入りできる入るところと出るところが逆になる、いわゆる「アイランド型」2010年1月29日・FJC施設見学会で撮影。
私は扉の感触に徹底的にこだわります。居室の扉は二重の引き戸。ダンパーが付いていないため小指1本で開閉できます。コレは極めて重要で、重い扉は出入りを妨げ、引きこもりにつながりかねません。またダンパーの付いた勝手に閉まるものは一歩間違えばギロチン(ズドンプレッシャー)になる恐れがあります。居室内はあっさりとした造りで、利用者様を如何にして居室から引っ張り出すか、という工夫が随所に見て取れます。
おっと、キッチンの画像撮るのを忘れてました。職員の動線を最小限にするべくど真ん中に可動式のテーブルが来る大胆な構成です。私は換気扇フードに頭をぶつけました。食事は厨房から半完成状態で来て、ここで利用者様と職員が一緒に作るのだそうです。食器棚に並んでいた、利用者様一人一人の箸とコップが載る小さなお盆がかわいかったです♪
利用者様の体格・使用条件歩行or車椅子などを考慮し、高さを変えた洗面所。流しを飾り枠(障害物)で囲っていないのがGOOD!コレなら車椅子をぴったりつけられます。配管周囲を「収納スペースなんぞ」で塞いでしまう例は病院・施設でもよく見られます…あの距離が人を諦めさせてしまうのですよッ。
ベッドからの立ち上がりを容易にする低床化のためキャスターは付いていません(画像左)。同ベッドは柵の支持部をユニット化(画像右)、中央下に見えるレバーでロックを開放することで画像は開放状態フレームに沿って位置を変えることができます。私のいる病院が最近新しくしたパラマウントベッドにはこの機構が無く、「柵を隅にしか立てられない」と同僚の間では不満タラタラ…総務がカタログのどこを見ていたかがよく解ります。このほか木枠のベッドも入っていました。
私は近頃、出かけ先でペーパータオルの厚さが気になって仕方ありません。と申しますのはだいぶ前のこと、私の病院で使っているペーパータオルが…ええい、バラしちゃえッ!パルプテックスエコノミーからホームこんリリーへ変わりましたが、コレが薄くてなかなか水を吸わず、つい2枚、3枚と、消費量が増えているのが気にかかります単価差で「吸収」できているのかは不明。1枚で拭ききれるアスクル(扱)を使う鶴舞乃城は合格です。
そうなんです、ヒールループ画像中フットレストに付いているベルトの方が麻痺側の足をうまくホールド出来るんですよ。車椅子、特に座面のティルト機構付は最近軽量化が進みましたね。着脱可能なアームレストやスプリング・バランサー付リクライニング機構は気に入りました…デザイン上まだこなれていない点は多々見受けられるものの、最近は日本のメーカーもパンテーラをパクってきてるなァ、と感じました。
敷地と道路の境に縁石=段差越えのショックが無く(画像左)、デイサービスの送迎自動車にとってきわめて好都合です。点字ブロックは雨で滑りますしね。そして鶴舞乃城で唯一考え込んでしまったのが職員通用口(同右)。低気圧が本州南岸を通過する際に降る北東からの雨をしのぎづらい位置でした。雨を除けられるのは非常階段の陰ぐらいで、自転車はおろかソレは私だけだろ自動二輪での通勤はまず有り得ない、と見ていいでしょう。なお当日駐輪スペースとして案内されたところはこの通用口から建物を挟んだちょうど反対側でした。山腹という立地、周囲は激坂ばかりであることを考えますと利用者様・ご家族様が歩いて出入りすることはチト考えにくく、同地へのアクセスは自動車オンリーになってしまうのかなァ。
「髙口の下でモノになれば全国どこへ行っても、誰が上に来ても大丈夫(三好さん談)」…職員は2次募集の最中、とのこと。鶴舞乃城が日本における看護・介護の「虎の穴富岡製糸工場でも構わんが」になることは間違いないことでしょう。またセミナー・行事があるときはお邪魔してみたい、と思いつつ同地を後にしました。
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